Discloseー19
文字数 495文字
また話題を変えた。
ヒートアップしだしていた江尻はまた簡単に踊らされる。
別になんの合図でもないが、こういうことをわざとする。
相手が勝手に勘ぐるように。
仕方がないから、結城は乗ったふりをする。
「HIROBAです。」
「そうそう、HIROBA。あそこ、正直どうなんです?使い勝手、いいんですか?」
江尻はまた左の方を向いて、しばらく答えなかった。
そっちの方には今の所誰も立っていない。
こういうときの根気の強さは浅霧多分一番だ。
おもちゃを前にして品定めしている猫のようだと思う。
気になるとか使ってみたいとか、値段がどうとかそんな話に根負けしたのか、
「会社でやっても、集中できない性分でして・・・。」
とだけ答えた。
「そうですか?私が見た限り、あなたの部屋の方が落ち着いて仕事ができそうですよ。忙しくてあなたの部屋に入れませんでしたが、写真でみた限り仕事とかするのにもってこいの環境でしたよ。」
「そりゃ、どうも。」
と言って、軽く頭を下げた。
「で、結局の所どうしてあそこに行かなければならないんです?まあ、あそこに行かなければ彼らと会えませんですからね。阪本と、本間と。
そして村田さんでしたっけ、あの女性。」
ヒートアップしだしていた江尻はまた簡単に踊らされる。
別になんの合図でもないが、こういうことをわざとする。
相手が勝手に勘ぐるように。
仕方がないから、結城は乗ったふりをする。
「HIROBAです。」
「そうそう、HIROBA。あそこ、正直どうなんです?使い勝手、いいんですか?」
江尻はまた左の方を向いて、しばらく答えなかった。
そっちの方には今の所誰も立っていない。
こういうときの根気の強さは浅霧多分一番だ。
おもちゃを前にして品定めしている猫のようだと思う。
気になるとか使ってみたいとか、値段がどうとかそんな話に根負けしたのか、
「会社でやっても、集中できない性分でして・・・。」
とだけ答えた。
「そうですか?私が見た限り、あなたの部屋の方が落ち着いて仕事ができそうですよ。忙しくてあなたの部屋に入れませんでしたが、写真でみた限り仕事とかするのにもってこいの環境でしたよ。」
「そりゃ、どうも。」
と言って、軽く頭を下げた。
「で、結局の所どうしてあそこに行かなければならないんです?まあ、あそこに行かなければ彼らと会えませんですからね。阪本と、本間と。
そして村田さんでしたっけ、あの女性。」