その65

文字数 740文字

ふと、この前僕に色々聞いてきた警察官の人達も、こういう時期があったのだろうか?と、考えてしまった。

最初から感じの悪い人なんているわけない。

きっと、初々しさは何処かで持ち合わせていて、いつの間にかあんな感じになってしまったのかもしれない。

そう思うと、警察の仕事って大変だなと少し同情した。

僕はいわれたとおりに、電車で2つ先の駅まで向かった。

電車の中は空いていたので、二駅だけど座ることにした。

一駅の間隔が山手線とは違い少し距離があるので、10分弱あるから座ったほうがラクだ。

投稿サイトなんかを覗いたら今週末は3連休だと出ていた。
ちょっと気分転換したくなった。

そういえば、うみほたるって最近話題にならない。
日常として浸透してきているからかもしれない。

車がないから遠い存在だったけど、学生の時に誰かに何回か連れて行かれた気がする。

そんな事を考えながらいたらいつの間にか病院からの最寄りの駅に着くアナウンスが流れた。

足元に置いておいた荷物を手に取り慌てて降りる。

改札を出てすぐ目の前がロータリーだ。

その近くに花屋があったので、流石に手土産なしも悪いと思い、花屋で適当に選んでもらった。

花屋さんの選んだもので十分良かったのだけど、個人的に色味のバランスがちょっと・・・と思い、1本だけ花を選んだ。

お店のお姉さんも、色味がいいということでその青い花・・・スターチスっていうらしい…を、先に選ばれていた脇を飾る何本かのカスミソウの1本と交換してくれた。

我ながらセンスがいい仕上がりになった気がする。

入院している人に、明るい色味ばっかりじゃ、見てて疲れる気がする。

その点、青は落ち着く色だ。

病院までバスが出ていると言っていたけど、迷って乗り間違えたら偉いことになるから、タクシーに乗ることにした。
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登場人物紹介

江尻甫(えじりはじめ)・・・このストーリーの主人公。都内の会社でSEとして働いている。ある日、警察から事情聴取を受ける。

浅霧・・・警視庁の刑事。少し風変わりだが優秀。自分の気に入った事件にはものすごく集中して動く。

結城・・・警視庁の刑事。浅霧の同僚。

御幸・・・なんでも屋。浅霧の大学の同級生。違法行為も行う。

三井・・・所轄の新人刑事

高橋・・・浅霧行きつけの喫茶店のマスター

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