その30

文字数 461文字

「怒りませんよ。 なんか、あなた達が変な言い回しするからでしょ?まあ、前、僕の辞め方が酷かったとか因縁付けて、警察沙汰にしての報復ですか? 陰険ですね、中西は。」

「呼び捨てですか?」
揚げ足をドンドン取られる。

本当に苛立たしい。

これなら、会議の方が100倍くらいマシだ。

「だから、何なんです?確かに、僕はあの人にとっては酷い辞め方をしたかもしれませんが、仕返しされるようなこと無いでしょ?会社を辞めるのに、診断書出して辞めても法律を犯したりしてないで・・・」

「江尻さん、5月31日は中西さんに会いましたか?」

言葉を遮られた挙げ句、想定していない全く違う日を指定して会ったかどうか確認された。

「え、ご、5月31日?最近あったのは、その前の1回だけですよ。」

そこまで言うと、西品署の二人が離れて北芝署の二人がやってきた。

「こちらも見て頂けますか。」

その先のことは、記憶も曖昧で、現実なのかそれとも何かのショーの中にいさせられているのか、なんとも言えないような時間だった。

そして、やり取りが終わり、解放されたのは約2時間後だった。
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登場人物紹介

江尻甫(えじりはじめ)・・・このストーリーの主人公。都内の会社でSEとして働いている。ある日、警察から事情聴取を受ける。

浅霧・・・警視庁の刑事。少し風変わりだが優秀。自分の気に入った事件にはものすごく集中して動く。

結城・・・警視庁の刑事。浅霧の同僚。

御幸・・・なんでも屋。浅霧の大学の同級生。違法行為も行う。

三井・・・所轄の新人刑事

高橋・・・浅霧行きつけの喫茶店のマスター

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