Disclose30

文字数 636文字

その頃まで、中西氏は別なチームの課長だったが評判もよく、自分のチームのリーダー力もない課長よりも優秀だと聞こえていたので、そんなに評判がいいならあっちの課に配属されればよかったという認識の相手だった。

ただそういう事以外では特に接点もなく、同期から聞こえてくる職場での事しか知らない相手だったのもあり結果からの報告を甫は鵜呑みにする。

その話を聞いて以来、中西氏に対して敵意を向けるようになった。
そのこともあり、業績を上げるシステム開発をして、自分のチームが社内での地位を上げたのだ。

甫はそういう形でマウントが取れて満足だったのだが、なぜかそのチームから外され場違いな部署に移動させられた。

そこにも噂が流れてくる。

どこからか結果と甫が兄妹だと漏れ出して、結果が辞めた理由の延長でその部署に甫が異動させられたというものだった。

異動理由について再三、人事部に問い合わせても教えてもらえず甫にはうわさ話だけが舞い込んできた。

その根源が、中西氏からにみえる内容がほとんどに甫にはうつって見えていた。

結果が仕事を辞めて、約1年後最大級の功績を残したのにも関わらず甫は退職に追い込まれたのだ。

そうやって、中西氏に対してはちょっと違う側面で兄妹から恨まれてしまったのだ。

会社を辞めたきっかけに、結果は心療内科にかかっていた。
当時のことを思い出して、眠れないからだった。

結果は一年くらいは、いろんなことをしていた。
職業訓練へと通い、ITスキルも少しずつ身につけていく。

バイトも転々としていた。
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登場人物紹介

江尻甫(えじりはじめ)・・・このストーリーの主人公。都内の会社でSEとして働いている。ある日、警察から事情聴取を受ける。

浅霧・・・警視庁の刑事。少し風変わりだが優秀。自分の気に入った事件にはものすごく集中して動く。

結城・・・警視庁の刑事。浅霧の同僚。

御幸・・・なんでも屋。浅霧の大学の同級生。違法行為も行う。

三井・・・所轄の新人刑事

高橋・・・浅霧行きつけの喫茶店のマスター

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