ACT40

文字数 490文字

あの日、御幸が「HIROBA」に入るまで江尻を尾行していた連中と交代した後のことだ。

その後の彼の尾行時の詳細を送ってもらう手はずになっている。

その中で、ちょっと気になる報告があった。

江尻は割と決まったルーティンが有るらしく、仕事後は大抵の場合、駅の近くのドラッグストアでの買い物をして帰る。

そして、尾行開始以来そこではいつだって彼は電子マネーで支払いしていた。

しかし、今回初めて現金で買い物をしたらしい。

それと、レジの近くにあった物を会計時に
「これもお願いします。」
と言って購入したものがあるという。

尾行の位置からでははっきりと、どの商品を手にしたのか分からなかったそうだ。

仕方無しに、別の人間に店員の目を盗んで死角になった辺りを隠し撮りし送ってもらった。

ガムなどと一緒に、色んなものがレジ周りに置いてある。

ドラッグストアなので、コンビニと違い買い忘れ促しが多岐に渡る。

その中で一つ、気になるものが写っていた。

今の彼にはあまり必要性のない物。
でも、御幸は、これを買っただろうと確信した。

江尻はこれを使って何をしようと考えているのかに御幸は考えられる想定を、メモに書き出していった。
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登場人物紹介

江尻甫(えじりはじめ)・・・このストーリーの主人公。都内の会社でSEとして働いている。ある日、警察から事情聴取を受ける。

浅霧・・・警視庁の刑事。少し風変わりだが優秀。自分の気に入った事件にはものすごく集中して動く。

結城・・・警視庁の刑事。浅霧の同僚。

御幸・・・なんでも屋。浅霧の大学の同級生。違法行為も行う。

三井・・・所轄の新人刑事

高橋・・・浅霧行きつけの喫茶店のマスター

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