Disclose26

文字数 578文字

そこまで話すと、浅霧はゆっくりと瞬きをした。
楽しんで話している証拠だ。

「・・ふふっ。最初に僕と接触して10日くらいしか経ってないけど、そういうとこまで調べられるんだね警察って。」

そう言うと、江尻は椅子にふんぞり返った。

「まあね、色々と優秀な人は多いんじゃない。」
そう言って浅霧も背もたれに身を任せて座り直す。

横から見たら、似たような格好で座っている。
立場は全く違うけど。

「サトウ商事、最初は結果が働いていたんだ。一緒に暮らしてなかったけど、あなたが言うように僕らは連絡は取り合える仲だったからね。
大学をでて1年くらい働き出した頃だよ。今会社で兄さんが今やっている仕事する人を募集してるって。だから転職したんだ。辞めるのも大変だった。だから今も売りにしていいるのを完成させてから辞めることで許してもらえたんだ。僕の黒歴史の一つが終わった瞬間だったよ。
あとは何回も言ったとおりさ。せっかく妹の誘いも僕は満ち足りなくなってしまった。」

最後のフレーズを言う時、なぜか少し寂しそうに見えた。

何故か、その話を聞いている浅霧は不満そうに見えた。

「いいや、あなたはそこを本当は辞めたくなかったんですよね。でも、妹さんの頼みをあなたは断れなかった。江尻さん、あなたは妹さんに後ろめたさを感じているからね。」

そこから話しだした田村結果という女性の話は結城を不快な気分に陥れた。

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登場人物紹介

江尻甫(えじりはじめ)・・・このストーリーの主人公。都内の会社でSEとして働いている。ある日、警察から事情聴取を受ける。

浅霧・・・警視庁の刑事。少し風変わりだが優秀。自分の気に入った事件にはものすごく集中して動く。

結城・・・警視庁の刑事。浅霧の同僚。

御幸・・・なんでも屋。浅霧の大学の同級生。違法行為も行う。

三井・・・所轄の新人刑事

高橋・・・浅霧行きつけの喫茶店のマスター

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