Discloseー53
文字数 432文字
その人は、あのアパートから引っ越し中古の一軒家に移り住み始めたばかりだった。
念の為マークを付けていた捜査員から、今日はいつもの時間に出発しないから、休みで家にいるようだと連絡が入り、浅霧と結城が伴ってやってきたのだ。
ノックをする。
返事はないが、浅霧はすぐに気配を感じたらしく、結城に合図する。
気配がする方に、周囲から見えないように結城が胸元からチラリと警察手帳を見せると、足音が聞こえてスグに引き戸が少しだけ開いたので、もう一度手帳を出して2人はそれぞれ名乗った。
「お線香を。」
というと、
「どうぞ。」
と言って招き入れてくれた。
田村結果の遺影は、制服の無理やり笑ったような引きつった笑顔だった。かなり幼いので、中学生くらいのようだ。
位牌はお寺に任せているらしい。仕方がないので2人とも、ただ写真に手を合わせるだけでとどまった。
「写真が嫌いな子で、あまりあっちの家で撮らなかったそうですよ。」
そういって、甫と結果の父親である田村健太郎は2人のためにお茶を用意しだした。
念の為マークを付けていた捜査員から、今日はいつもの時間に出発しないから、休みで家にいるようだと連絡が入り、浅霧と結城が伴ってやってきたのだ。
ノックをする。
返事はないが、浅霧はすぐに気配を感じたらしく、結城に合図する。
気配がする方に、周囲から見えないように結城が胸元からチラリと警察手帳を見せると、足音が聞こえてスグに引き戸が少しだけ開いたので、もう一度手帳を出して2人はそれぞれ名乗った。
「お線香を。」
というと、
「どうぞ。」
と言って招き入れてくれた。
田村結果の遺影は、制服の無理やり笑ったような引きつった笑顔だった。かなり幼いので、中学生くらいのようだ。
位牌はお寺に任せているらしい。仕方がないので2人とも、ただ写真に手を合わせるだけでとどまった。
「写真が嫌いな子で、あまりあっちの家で撮らなかったそうですよ。」
そういって、甫と結果の父親である田村健太郎は2人のためにお茶を用意しだした。