Discloseー63

文字数 607文字

健太郎の申告した位置と思われるところに相違ないところに結果が部屋着で映っていて、世間一般に連想される引きこもりの女性とは程遠い明るい女性がそこにいた。

「そこで、面白い事がわかってきたんですよ。その確認、もう結果氏ではできないので、分かる範囲であなたにお伺いしたくて。」

「さ、さっきも言ったが自分は殆ど一緒にいなかったから。」
とまた敬遠してくる。

「まあ、そんなに警戒されなくてもよろしいですよ。以前、別な担当から確認のために一度伺った事を含めて再確認したいので。思い出していただけたら。」

あの雨の日の映像で、結果と甫が唯一一緒に行動したことが分かるタクシーが父親の運転するものだったので、その確認をするためにすでに聴取している。

「あの日は珍しく、甫から頼まれて…。」
だから大体の時間に合わせてあの駅に行ったそうだ。雨の日、他のタクシー待ちの人が予約車というのを知らずに何人も声を掛けられて申し訳なかったとその時の供述で答えている。

ただ、殆ど時間通りに来たそうであんなに大雨じゃなかったら、普段は殆どタクシーのためにはその出口に来る人はいないらしい。

なぜなら、メインの出口のところに行けば専用のタクシー乗り場があるそうで、メインでこの駅を利用する人からすれば、そこに行けばタクシーが捕まる事を知っているからだ。

時間が正確だったという点では、電車の中でレインコートを着た二人が事前に、二人の乗った車両にいた点でも言える。
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登場人物紹介

江尻甫(えじりはじめ)・・・このストーリーの主人公。都内の会社でSEとして働いている。ある日、警察から事情聴取を受ける。

浅霧・・・警視庁の刑事。少し風変わりだが優秀。自分の気に入った事件にはものすごく集中して動く。

結城・・・警視庁の刑事。浅霧の同僚。

御幸・・・なんでも屋。浅霧の大学の同級生。違法行為も行う。

三井・・・所轄の新人刑事

高橋・・・浅霧行きつけの喫茶店のマスター

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