ACT52

文字数 626文字

1階まで降りると彼はトイレへと向かい、そして数分で出てきた。

ちょうど検診を受けているサラリーマンの小集団がいたのでそこに紛れて様子を伺う。

江尻はさり気なく通路の確認を済ませると、思ったとおりに検診用の出入り口へと向かった。

外に出て、想定外だったのはまた正面の入り口に入ったことだった。受付に向かって行き、中の女性と話している。
ここは後で確認させよう。

その受付からまた中に入っていくのかと思っていたら、戻ってきて今度こそ帰るようだ。

彼はタクシー乗り場へと一旦向かったが、タクシー乗り場は何人かの待ち人がいたので、正門の方へと歩いて向かった。

浅霧は目で確認しながら、速やかに自分たちの車両へと向かう。
多分、さっき見たバス停へと向かうのだろう。

結城と合流すると三井に戻るように指示した。

「結城、あのバス停に向かっているスーツの男、みえる?」
「はい。」

「あれ、江尻だから。」
「え?あ、はい。」
直ぐに見つけられたらしい。

「もうひとりと一緒に一応尾行して。
まあ、会社に帰るだけだと思うけど、その間の行動を知りたい。お前、顔知られて無いからバスに一緒に乗って。」
そう言われて、結城は急いで車を下りてバスへと向かった。

結城がバス停に付いた頃、2人が来ると島田に同じ様に伝え、島田はバスが来ると乗ってきた車で一緒についていった。

「さて、俺たちはあっち。」
そう言うと、病院の方へと向かう。

その間、結城に
『感づかれないように様子見て、表情とかも教えて。』
とメッセージを送る。
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登場人物紹介

江尻甫(えじりはじめ)・・・このストーリーの主人公。都内の会社でSEとして働いている。ある日、警察から事情聴取を受ける。

浅霧・・・警視庁の刑事。少し風変わりだが優秀。自分の気に入った事件にはものすごく集中して動く。

結城・・・警視庁の刑事。浅霧の同僚。

御幸・・・なんでも屋。浅霧の大学の同級生。違法行為も行う。

三井・・・所轄の新人刑事

高橋・・・浅霧行きつけの喫茶店のマスター

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