江尻甫からみえるセカイ:その1
文字数 671文字
「普通」ってなんだろう。
毎日、仕事をして、毎日、生活を送る。
そういうものだと思っていた。
そして、その生活という「普通」をしていると思う。
でも、みんな知らないのだ。
ほんのちょっとしたことで、人の思う普通が一変してしまうことを。
でも、実はそれは結構日常でよく起こっていることなのかもしれない。
僕にはよく立ち寄る「居心地のいい場所」がある。
転職してすぐに見つけた、会社帰りに立ち寄れる駅からほど近いその場所は、ホンの少し会社とは違う社会との繋がりがありつつも、一人で居られる不思議な空間だった。
会員制だから割と決まった面子がそこに集まり、多分半分くらいの人は僕と同じ様な気持ちでこの空間を利用していると思っている。
ただ、今日は午後から雨が降っていたから、いつもより長居したり早めに来たりする人が居たのかわからないけれど、普段僕が定位置にしている壁際の席が埋まっていた。
仕方がなく、空いていたフロアの真ん中にいくつかある島席の一つを陣取って座って作業をしていた。
でも、雨というシチュエーションは同じ思考になるのだろうか、雨脚が強くなるにつれて来客数が増えてきて、4人がけのこの席を一人で陣取ることに気兼ねし始めてしまった。
僕、江尻(えじり)甫(はじめ)はどうせ、一人暮らしで家に帰っても部屋じゃ仕事が捗(はかど)らないからといつもここで持ち帰りの仕事をしているけれど、今日は気が散ってしまったのもあって、いつもより随分早いが店を後にすることにする。
そしてこの気まぐれな行為がまさか、この僕に普通の日常じゃない世界へと誘われるとはおもってもいなかった。
毎日、仕事をして、毎日、生活を送る。
そういうものだと思っていた。
そして、その生活という「普通」をしていると思う。
でも、みんな知らないのだ。
ほんのちょっとしたことで、人の思う普通が一変してしまうことを。
でも、実はそれは結構日常でよく起こっていることなのかもしれない。
僕にはよく立ち寄る「居心地のいい場所」がある。
転職してすぐに見つけた、会社帰りに立ち寄れる駅からほど近いその場所は、ホンの少し会社とは違う社会との繋がりがありつつも、一人で居られる不思議な空間だった。
会員制だから割と決まった面子がそこに集まり、多分半分くらいの人は僕と同じ様な気持ちでこの空間を利用していると思っている。
ただ、今日は午後から雨が降っていたから、いつもより長居したり早めに来たりする人が居たのかわからないけれど、普段僕が定位置にしている壁際の席が埋まっていた。
仕方がなく、空いていたフロアの真ん中にいくつかある島席の一つを陣取って座って作業をしていた。
でも、雨というシチュエーションは同じ思考になるのだろうか、雨脚が強くなるにつれて来客数が増えてきて、4人がけのこの席を一人で陣取ることに気兼ねし始めてしまった。
僕、江尻(えじり)甫(はじめ)はどうせ、一人暮らしで家に帰っても部屋じゃ仕事が捗(はかど)らないからといつもここで持ち帰りの仕事をしているけれど、今日は気が散ってしまったのもあって、いつもより随分早いが店を後にすることにする。
そしてこの気まぐれな行為がまさか、この僕に普通の日常じゃない世界へと誘われるとはおもってもいなかった。