Disclose54
文字数 425文字
遺体になった結果を引き渡す際にほんの少し会っただけだから、健太郎は案の定覚えておらず、
「そうでしたか、その際は…。」
と視線を合わせずに恐縮ばっている。
ただ、結城はそんな姿勢と裏腹に、男一人所帯になったはずなのにこざっぱりとしていることに、感心した。
写真の脇に、小さいながらも花瓶があり、ほんの少し花が添えてあるがそれも萎れてもなく、いきいきしているのも目に止まった。
そんな感想をよそに
「落ち着きましたか?」
と浅霧が切り出す。
「ええ、まあ。」
と伏し目がちに言う。
「独立されたとか…。」
「社長とは、なんだかんだと20年の付き合いで、今回の件で迷惑かけるから、辞めるって言ったら親身に聞いてくれて、生きていかなきゃならないだろうって。」
といい、その社長の親戚の家で数年誰も住んでいなかったこの場所を安く譲ってくれたそうだ。
平屋の一軒家だが、なんとか1台だけ車が止められるくらいのスペースが有り、そこにタクシーが置いてある。
「今日は、お休みだったんですか?」
「そうでしたか、その際は…。」
と視線を合わせずに恐縮ばっている。
ただ、結城はそんな姿勢と裏腹に、男一人所帯になったはずなのにこざっぱりとしていることに、感心した。
写真の脇に、小さいながらも花瓶があり、ほんの少し花が添えてあるがそれも萎れてもなく、いきいきしているのも目に止まった。
そんな感想をよそに
「落ち着きましたか?」
と浅霧が切り出す。
「ええ、まあ。」
と伏し目がちに言う。
「独立されたとか…。」
「社長とは、なんだかんだと20年の付き合いで、今回の件で迷惑かけるから、辞めるって言ったら親身に聞いてくれて、生きていかなきゃならないだろうって。」
といい、その社長の親戚の家で数年誰も住んでいなかったこの場所を安く譲ってくれたそうだ。
平屋の一軒家だが、なんとか1台だけ車が止められるくらいのスペースが有り、そこにタクシーが置いてある。
「今日は、お休みだったんですか?」