Disclose-11

文字数 624文字

実は、しばらくの間阪本は中西が入院しているということを知らなかった。

阪本は、出張を命じられていた。
そして代替え実行日を東京にいない日を指定していたのだ。

だが日時を細工されるとも知らずに、自分も相手から依頼された(と思われた)日に実行したのだ。

実行の翌日は移動日のみで実質仕事をしない。
だから指定された日が都合が良かった。

出張期間中は、仕事に支障がでるからという理由で、襲われて入院したことは箝口令が出ていて、阪本に知らされなかった。

阪本は、自分の出張中に死んだと思っているので、出張明け会社の人が口々に
「中西さんは、大変だったね。」
そう言われる言葉は死んだと思っている阪本からすれば、きちんと実行されたとその確信に勝手に結びついた。


「でもね、本間が失敗しちゃったでしょ。」

何かしらで、事件性が出て事情聴取されることは想定していたようだったが、その聴取の際にようやくまだ生きていることを察したのだ。

「まあ、僕もあのときに初めて知ったんだよね。」
ニュースにもなってなかったから、おかしいなって薄々変な気はしていたんだと笑いながら言う。

逃げ隠れせずに、事件後もHIROBAも含め仕事もやめずに過ごしてきたのは今までと違う行動をすると疑うやつが出るかもしれないから、しばらくは今までと同じ行動で・・・と言ってあったかららしい。

だから、阪本から約束が違うと苦情が来たときには江尻も少し焦ったという。

仕方がないから、責任取ってなんとかすると約束したというのだ。
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登場人物紹介

江尻甫(えじりはじめ)・・・このストーリーの主人公。都内の会社でSEとして働いている。ある日、警察から事情聴取を受ける。

浅霧・・・警視庁の刑事。少し風変わりだが優秀。自分の気に入った事件にはものすごく集中して動く。

結城・・・警視庁の刑事。浅霧の同僚。

御幸・・・なんでも屋。浅霧の大学の同級生。違法行為も行う。

三井・・・所轄の新人刑事

高橋・・・浅霧行きつけの喫茶店のマスター

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