ACT6

文字数 517文字

浅霧の 憂鬱を忘れさせるように、東京という街は幾つもの事件や事故が起こってはあるべきところへと落ちていく。

そんな警察の中枢である警視庁というところには、大小様々な事件や事故が舞い込んでくる。

浅霧がいる班も例外ではなく、日々忙しい。
ただ、犯人がほぼ確定していて証拠固めになっている部分まで来て、浅霧の興味が尽き始めていた。

事件のあらましが見えて来ると、途端に前に出ようとしない。書類をまとめるとかの段階まで来ると、全て結城にお任せして、いつの間にかいなくなる。

と言っても、サボるわけじゃない。
きっちりと、「別な班」で仕事をしている。

でも、雨の中出ていったのは、班長はただのサボりだと思っているようだけど、結城は何となく察していた。

結城も、関わった以上、あの3人のことが気がかりではある。
だから、お目付け役としていつもはついていくけれど、今日は見失ったと言って、代わりに色んな事を潰すだけの作業を結城は、文句を言いながらも熟していた。

(ああ、早くこの山が終わって、浅霧さんがやる気になるような件が回ってきますように・・・)
と、不謹慎極まりない事を願ったりもしている。

まさか、そんな日が訪れるなんて、この雨の日には思いもよらなかったけれど。
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登場人物紹介

江尻甫(えじりはじめ)・・・このストーリーの主人公。都内の会社でSEとして働いている。ある日、警察から事情聴取を受ける。

浅霧・・・警視庁の刑事。少し風変わりだが優秀。自分の気に入った事件にはものすごく集中して動く。

結城・・・警視庁の刑事。浅霧の同僚。

御幸・・・なんでも屋。浅霧の大学の同級生。違法行為も行う。

三井・・・所轄の新人刑事

高橋・・・浅霧行きつけの喫茶店のマスター

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