その21

文字数 647文字

まだ、 ここにきて15分くらいしか経っていない。

我ながら、早く食べ過ぎたとちょっと後悔しつつ、いつものようにスマホでちょっとニュースを斜め見しながら、その後10分位はゆっくりと過ごした。

一旦席に戻ると、前の席の同僚から声を掛けられた。

「江尻さん、さっき受付から連絡があって警察の人が来てるって言ってたけど、一今、席外してますって答えちゃった。」
「え?そうなんですか。あ、わかりました・・・。」
壁に掛けてある時計を見る。

まだあれから30分くらいしか経っていない。

警察というところはせっかちなんだなと思いトイレ位は済ませておこうと手洗いへと向かった。

鏡を見て、会議をサボるニヤケ顔じゃない顔パターンを幾つか確認する。

顔が緩んでいるのはいつものことだ、これ以上緩まないように、一応顔を洗った。

そして、上着と財布とケータイだけ持って受付のところへ向かうことにした。

さっき電話を取ってくれた同僚に、
「ちょっと下で様子見てくるから、もし会議始まったら部長に言っといて。」
というと、いいなぁサボれますね。と、うらやましがられながらも了承してもらった。

しかし、短時間で何回も受付に言ってくるなんてそんなに大事な用なのだろうか。

ロビーで待っていて、受付の方に迷惑を掛けているのかもしれないから時間稼ぎに階段で降りようと思っていたのを改め、エレベーターを使うことにした。

エレベーターを降りながらも、あれ?名刺とか要らないよな・・・。と思ったが、一応数枚は財布にも忍ばせてあるので、それでいいか・・・と、開き直った。
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登場人物紹介

江尻甫(えじりはじめ)・・・このストーリーの主人公。都内の会社でSEとして働いている。ある日、警察から事情聴取を受ける。

浅霧・・・警視庁の刑事。少し風変わりだが優秀。自分の気に入った事件にはものすごく集中して動く。

結城・・・警視庁の刑事。浅霧の同僚。

御幸・・・なんでも屋。浅霧の大学の同級生。違法行為も行う。

三井・・・所轄の新人刑事

高橋・・・浅霧行きつけの喫茶店のマスター

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