ACT64

文字数 446文字

バスの中では窓の外を終始気にしていた事、
バスに乗った途端メガネを外し終始ごきげんな感じだった事、
駅の忘れ物や落とし物がどこへ届くのか確認に行った事、
聞いた割にはそこへは向かわずに真っ直ぐに会社に戻った事、
をパンやサラダが届く合間に報告してきた。

行儀が悪いが、サラダを食べながらスマホを見る。
班長からもメールが来ていた。

カブトの件だ。

対象に本間も入っていたが、本間からの返信はないらしい。

その連絡を送る前に、会社側に直帰しますという連絡が来ていたので、今から捜査員を本間の自宅と例の「HIROBA」へと向かわせたという。

HIROBAは江尻も利用しているので、慎重にお願いしたいと送る。

その件の返信はなく、代わりに会社の社員証に使用されている本間の顔写真が送られてきた。


その写真を見て、なるほどと思った。

髪型とメガネのおかげで自分たちが追いかけていた江尻が彼に似せていた事がわかる。

つまり、HIROBAで同じ時間を共有している本間を江尻は認識しているのだ。

その件を伝えると、了解と短い連絡が来た。
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登場人物紹介

江尻甫(えじりはじめ)・・・このストーリーの主人公。都内の会社でSEとして働いている。ある日、警察から事情聴取を受ける。

浅霧・・・警視庁の刑事。少し風変わりだが優秀。自分の気に入った事件にはものすごく集中して動く。

結城・・・警視庁の刑事。浅霧の同僚。

御幸・・・なんでも屋。浅霧の大学の同級生。違法行為も行う。

三井・・・所轄の新人刑事

高橋・・・浅霧行きつけの喫茶店のマスター

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