ACT76

文字数 549文字

前日の事があるので、少なくてもここにいる4人は江尻が主犯だとおもっている。

だが本間が姿を消した理由に浅霧以外、思い至れていない。

「あいつさ、なんで昨日病院に来たと思う?」
と、三人に向かって浅霧が問いかける。

結城は島田と三井の顔を見て様子を伺う。

ほぼ三人共同じような探り合う顔つきだった。

「か・・ボスが言うように、普通にお見舞いだったわけでは・・・。」
と、語尾をにごしながら島田が言う。

二人よりは浅霧の考えを察している結城が、カバーするように
「捜査員が動くまで、被害者の情報が正確に伝わらなかったから彼は逆に昨日まで動けなかった・・・、浅霧さんはそう思っているんですよね?」
と、自分が把握していることをさも今思いついたように言いだした。

「あ、たしかにニュース最初の数日は取り上げられてましたが、その後大きな事件とかが続いて、どうなったかの続方はほとんどなかったですね。」
と、ちょっと思い出したようだ。

ゲリラ豪雨のあの晩、都内のあちこちで落雷による被害が出ていた。

結果その際に変電所と大手の工場が同時に火事になり、ニュースたワイドショーでの話題は、生活に密着している分だけ、それらのことが大きく取り上げていた。

当時はまだ、事故の可能性が高かった森宮氏と中西氏の件は、ほとんどの媒体で取り上げてなかった。

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登場人物紹介

江尻甫(えじりはじめ)・・・このストーリーの主人公。都内の会社でSEとして働いている。ある日、警察から事情聴取を受ける。

浅霧・・・警視庁の刑事。少し風変わりだが優秀。自分の気に入った事件にはものすごく集中して動く。

結城・・・警視庁の刑事。浅霧の同僚。

御幸・・・なんでも屋。浅霧の大学の同級生。違法行為も行う。

三井・・・所轄の新人刑事

高橋・・・浅霧行きつけの喫茶店のマスター

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