その24

文字数 516文字

理由が わからないのは、取り残された僕である。

わけが分からずオロオロしていると、さっきの受付の子が別の二人を連れてきた。

先に居た二人もそちらを向く。
「あの、最初にいらした警察の方が・・・。」
そう紹介すると、さっきと同じ光景が繰り返される。

その警察官二人は、他の警察の人間が来ていることを知らなかったようで、少し驚いているようだった。

一人が手帳を見せ、
「西品署の三井です。」と言った。

さっきと違うのは、この人が女性だということくらいだが、手帳には同じように巡査部長と書かれていて、名前と顔は同じだった。

もうひとりも手帳を出した。
「同じく、西品署の島田です。」
この人はこの4人の中でもっともがっちりした体躯の人だ。

逃げたりでもしたら、この人にまず掴まって取り押さえられそうだ。

そしてこの人も、巡査部長となっている。

よく知らないが警察は、部長という人が多いらしい。
そんな偉い人がここに4人も来ているのは、なんだろう。

警察の役職なんて詳しくないから、子に人たちがどんな立ち位置なのか、想像もつかないけど。

まあ、とりあえず受付の人の困惑した理由だけはわかった。

そりゃ、警察の人が同じ人間を同じタイミングで居るのかどうか聞きにくれば仕方がない。
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登場人物紹介

江尻甫(えじりはじめ)・・・このストーリーの主人公。都内の会社でSEとして働いている。ある日、警察から事情聴取を受ける。

浅霧・・・警視庁の刑事。少し風変わりだが優秀。自分の気に入った事件にはものすごく集中して動く。

結城・・・警視庁の刑事。浅霧の同僚。

御幸・・・なんでも屋。浅霧の大学の同級生。違法行為も行う。

三井・・・所轄の新人刑事

高橋・・・浅霧行きつけの喫茶店のマスター

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