Discloseー13
文字数 570文字
平静を装わなければならない結城も、一瞬動揺してしまった。
その後も、いくつかの質問を、筋道立てずに質問していく。
「ドライブは好きなのか?」
「酒を飲むのか?」
「花の名前で知っているものは?」
と一見なんの意味もないように聞こえる質問。
質問を重ねるたびに段々と江尻に対するイメージが変わってきた。
口数も、事件関係のときほどなく、視線がどんどんと下を向いていく。
江尻が語った事件の話、3回ともにほぼ同じ言い回しだった。
彼の中で、この質問にはこう答えようという一つのシミュレーションが出来上がっているようだ・・と、班長ですら変に感心していた。
だというのに。
浅霧の質問は、なんてことのない日常の話のように思える。
新歓コンパとかでも時々上がるような些細な内容の質問は、少しずつ江尻にダメージを間違いなく与えている。
結城が3回も聞いた質問は、その途中でも自分の言葉を重ねて饒舌に話していたのに、浅霧の質問になった途端、視線がよく泳ぐ。
言葉に詰まると、じっと待つ。
そして同じ質問をする。
とうとう答えたくないと言い出したのは、いくつめかの質問だった。
「お父さんの職業は?」
資料上では会社員となっている。
そのとおりに江尻は会社員ですと答えた。
「その人は、2番目のお父さんのことだね。じゃあ、本当のお父さんはどんな職業をしていますか?」
江尻と結城は一斉に浅霧をみた。
その後も、いくつかの質問を、筋道立てずに質問していく。
「ドライブは好きなのか?」
「酒を飲むのか?」
「花の名前で知っているものは?」
と一見なんの意味もないように聞こえる質問。
質問を重ねるたびに段々と江尻に対するイメージが変わってきた。
口数も、事件関係のときほどなく、視線がどんどんと下を向いていく。
江尻が語った事件の話、3回ともにほぼ同じ言い回しだった。
彼の中で、この質問にはこう答えようという一つのシミュレーションが出来上がっているようだ・・と、班長ですら変に感心していた。
だというのに。
浅霧の質問は、なんてことのない日常の話のように思える。
新歓コンパとかでも時々上がるような些細な内容の質問は、少しずつ江尻にダメージを間違いなく与えている。
結城が3回も聞いた質問は、その途中でも自分の言葉を重ねて饒舌に話していたのに、浅霧の質問になった途端、視線がよく泳ぐ。
言葉に詰まると、じっと待つ。
そして同じ質問をする。
とうとう答えたくないと言い出したのは、いくつめかの質問だった。
「お父さんの職業は?」
資料上では会社員となっている。
そのとおりに江尻は会社員ですと答えた。
「その人は、2番目のお父さんのことだね。じゃあ、本当のお父さんはどんな職業をしていますか?」
江尻と結城は一斉に浅霧をみた。