ACT78

文字数 504文字

「今、関係者がたくさん上げられていますが、両方に接点の有る人間は今の所一人だけです。」
まずは三井が言い出した。

「・・・」
浅霧は何も言わない。

三人の視線は、浅霧に向かっている。
「今のところはね。」
何も言わない浅霧の代わりに結城がいう。

多分、言いたいことはそれだろうと、代わりに答えただけで結城の意見じゃない。

「・・・」
視線は浅霧に注がれるが動く気配がない。

という事は進めろということだと認識した結城は、司会役も引き受ける。

代わりに視線で島田を見る。

「彼と関わりがある二人が同日に何故か事故と思われる事件が起き、一人が死亡、一人が意識不明の重体。」

「・・・」
「あとは?」

「あの店に何故かそれぞれの会社の、それぞれの部下が毎日のように通い、同時刻に三人で会っている。」

「あの場所を同時刻に利用していても、潜入している捜査員によると一切接触しないそうだよ。」
やはりダメ出しには意見を言うようだ。

「もし、三人とも認知している間柄だったらどうやって、意思疎通をしているんだろう・・・」
司会そっちのけで結城も私見を言う。

「・・・」
そこまで話をしたところで、マスターが人数分の水とそれぞれの飲み物に付随したものを持ってきた。
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登場人物紹介

江尻甫(えじりはじめ)・・・このストーリーの主人公。都内の会社でSEとして働いている。ある日、警察から事情聴取を受ける。

浅霧・・・警視庁の刑事。少し風変わりだが優秀。自分の気に入った事件にはものすごく集中して動く。

結城・・・警視庁の刑事。浅霧の同僚。

御幸・・・なんでも屋。浅霧の大学の同級生。違法行為も行う。

三井・・・所轄の新人刑事

高橋・・・浅霧行きつけの喫茶店のマスター

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