その50

文字数 643文字

ただ、今日はこのフロアには用事がないので、上の階のパソコンの売場へと向かう。

そのフロアに降り立つよ、わくわくする光景が広がっていた。

スマホの様に、画面上でペンタイプのオプションを使えるようになった数年前から、この形態が割と主流になってきていて、一番目立つところに配置されている。

その奥に、従来型のものが並び、さらにその奥には周辺機器やコードなども並んでいる。

ゲームに特化したコーナーもあり、どこを切り取っても飽きがこない。

学生のころ、先生たち大人がすでにその重要性から離れつつあったディスクトップのパソコンの良さを力説していたが、社会人になったころには、ノートパソコンやタブレットの実用的な機能の数々にこれだけで生活が楽にできてしまうという風潮になっていた。

情報はパソコン内だけで納めておかなくてもいい時代になってきたからだ。

最近の自分よりもずっと若い連中は、もうスマホかそれで足りない人はタブレット端末併用で用が済んでしまう。

ただ、どうしても僕は使い慣れた事を良いことに、パソコンからは離れられない。
プライベートでも仕事でも。

出来れば数年同じものを使うことを考えると、タブレットの様に画面操作ができるタイプのものがいい、という方向性は決まっている。

ウロウロしながら色んな事を考えていると、聞きたいことができたタイミングで
「どの様なものをお探しですか?」
と声を掛けられた。

ちょうど、聞きたい事があったから、ちょうどいいタイミングだ!
と、後ろを振り向くと、そこに居たのは店員じゃなかった。

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登場人物紹介

江尻甫(えじりはじめ)・・・このストーリーの主人公。都内の会社でSEとして働いている。ある日、警察から事情聴取を受ける。

浅霧・・・警視庁の刑事。少し風変わりだが優秀。自分の気に入った事件にはものすごく集中して動く。

結城・・・警視庁の刑事。浅霧の同僚。

御幸・・・なんでも屋。浅霧の大学の同級生。違法行為も行う。

三井・・・所轄の新人刑事

高橋・・・浅霧行きつけの喫茶店のマスター

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