その40
文字数 555文字
通りすがり 、その席の様子を伺う。
気付かれないように。
荷物もないので帰ったのかもしれない。
ふぅ・・・。
と息をつく。
どうやら目があったのは、偶然だったようだ。
今日のことがあったから、ただでさえ人見知りなのに警戒心が強めに発動したようだ。
思い返しても、へんな言動はしなかったはずだ。
むしろ、変な詮索をした時間が馬鹿らしく思えてきた。
席に戻り、その人がいなくなって安堵したからなのか、急に5月31日についてのことがまた頭の中を占め始めた。
僕があの日座っていた席だったから、記憶のトリガーが惹かれたのかもしれない。
あの日、結局彼女のアパートまで行ってしかも二人きりだったというのに、彼女とは結局あの後何も無かった。
どういう流れでタクシーに乗り込んで、帰宅したなんて全く覚えていない。
まあ、それはどうでもいい。
そのもっと前、彼女がぶちまけたシーンを思い出した。
あの時のカバンと、そしてついてにスーツも捨てた。
クリーニングに出そうと思っていたけど、半乾きのまま袋に入れっぱなしにしていたからか、信じられない匂いを発していて、なんかもういいや・・・と思えてしまったのだ。
証拠品を出せ!
と言われても、ない・・・。
けれどあれだけ多くの人が見ていたし、タクシーも使ったから、次に警察が来たらその事を言えばもう来ることもないだろう。
気付かれないように。
荷物もないので帰ったのかもしれない。
ふぅ・・・。
と息をつく。
どうやら目があったのは、偶然だったようだ。
今日のことがあったから、ただでさえ人見知りなのに警戒心が強めに発動したようだ。
思い返しても、へんな言動はしなかったはずだ。
むしろ、変な詮索をした時間が馬鹿らしく思えてきた。
席に戻り、その人がいなくなって安堵したからなのか、急に5月31日についてのことがまた頭の中を占め始めた。
僕があの日座っていた席だったから、記憶のトリガーが惹かれたのかもしれない。
あの日、結局彼女のアパートまで行ってしかも二人きりだったというのに、彼女とは結局あの後何も無かった。
どういう流れでタクシーに乗り込んで、帰宅したなんて全く覚えていない。
まあ、それはどうでもいい。
そのもっと前、彼女がぶちまけたシーンを思い出した。
あの時のカバンと、そしてついてにスーツも捨てた。
クリーニングに出そうと思っていたけど、半乾きのまま袋に入れっぱなしにしていたからか、信じられない匂いを発していて、なんかもういいや・・・と思えてしまったのだ。
証拠品を出せ!
と言われても、ない・・・。
けれどあれだけ多くの人が見ていたし、タクシーも使ったから、次に警察が来たらその事を言えばもう来ることもないだろう。