ACT65

文字数 448文字

代わりに、結城の方に電話がかかってきて慌てて出ようとしたので、浅霧は睨みつけて手で出ていけと追い払うと、結城は渋々外へと出ていった。

結城が外に出たちょうどその時にメインが運ばれてきた。

一つはハンバーグ、一つは鶏肉の料理のようだ。

美味しそうなので、鶏肉の料理を自分の方に置いてもらった。

一口食べた所で結城が戻ってきて何かいいかけて口をあんぐりしている。

「冷めないうちに、早く食べなよ。」
「は、はい…。」
なんだか不服そうだ。

こういう後に、「班長、何だって?」などと野暮なことはきかない。

まあ、班長も俺に言っても仕方がないのは知っているから、結城がはけ口になっている。

今日の変えるまでの流れでちょっと気に食わないのは、インフォメーションに確認に行った件だ。

なんとなく嫌な予感がしてきた。

食べ物を口に運びながらも時計を確認する。

データ上、彼は殆ど同じ時間に入店している。

結城がもしゃもしゃと食べている脇で、御幸に
『来た?』
『まだらしい。』
という確認をして、なお一層の嫌な気持ちが頭の中を支配し始めている。
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登場人物紹介

江尻甫(えじりはじめ)・・・このストーリーの主人公。都内の会社でSEとして働いている。ある日、警察から事情聴取を受ける。

浅霧・・・警視庁の刑事。少し風変わりだが優秀。自分の気に入った事件にはものすごく集中して動く。

結城・・・警視庁の刑事。浅霧の同僚。

御幸・・・なんでも屋。浅霧の大学の同級生。違法行為も行う。

三井・・・所轄の新人刑事

高橋・・・浅霧行きつけの喫茶店のマスター

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