Disclose2
文字数 700文字
浅霧はそっちとも話を聞きたそうだったが、医師の許可が出ずそのまま一晩様子見されるという。
「どうやら朝イチで管理官が直々に来るって誰かが言ってましたよ。」
と、監視という大役に回された島田から連絡が来ていた。
江尻の方も診察を経て、医者から許可が出たもののその時間は遅いからということで、大事をとり入院ということになった。
「ねえ、先生。彼は命に関わることはないでしょ?」
と、浅霧が先生を捕まえてごねている。
どうしても、今日話したいらしい。
色々と交渉した結果、医者の同席を条件として数分くらいならと許可をもらえた。
結城は邪魔にならないように、二人が対峙する真横に壁の近くから見守っていた。
持ち時間の殆どの時間、浅霧は一言も発せずに本間を観察するように真正面に座っている。
そして机の上に肘を載せ、手をグーにして左の頬を支えるようにしてほんの少しかしげているその顔は、怒っているようにも笑っているようにも見えた。
江尻は視線を下げほうけているように見える。
これで精神的に問題があると判断されてしまうと、何もかもが救われない事態になってしまう。
その数分、ひどく長く感じた。
医者は、手元の時計をずっと気にしている。
浅霧はそのままの体制で動かない。
結城も負けじと結城を観察している。
5分くらい経過した頃。
ほんの少し江尻が動いた気がした。
指先。
浅霧からは、テーブルのせいで多分見えていない。
なのにそれを見計らったのかはわからないが、同じタイミングで
「ずっと見てたんですよ、君をね。初めて見たときからずっと話したいと思っていた。明日から、やっと話せる。明日、楽しみですよ。」
その言葉に江尻は視線をあげてまじまじと浅霧を見た。
「どうやら朝イチで管理官が直々に来るって誰かが言ってましたよ。」
と、監視という大役に回された島田から連絡が来ていた。
江尻の方も診察を経て、医者から許可が出たもののその時間は遅いからということで、大事をとり入院ということになった。
「ねえ、先生。彼は命に関わることはないでしょ?」
と、浅霧が先生を捕まえてごねている。
どうしても、今日話したいらしい。
色々と交渉した結果、医者の同席を条件として数分くらいならと許可をもらえた。
結城は邪魔にならないように、二人が対峙する真横に壁の近くから見守っていた。
持ち時間の殆どの時間、浅霧は一言も発せずに本間を観察するように真正面に座っている。
そして机の上に肘を載せ、手をグーにして左の頬を支えるようにしてほんの少しかしげているその顔は、怒っているようにも笑っているようにも見えた。
江尻は視線を下げほうけているように見える。
これで精神的に問題があると判断されてしまうと、何もかもが救われない事態になってしまう。
その数分、ひどく長く感じた。
医者は、手元の時計をずっと気にしている。
浅霧はそのままの体制で動かない。
結城も負けじと結城を観察している。
5分くらい経過した頃。
ほんの少し江尻が動いた気がした。
指先。
浅霧からは、テーブルのせいで多分見えていない。
なのにそれを見計らったのかはわからないが、同じタイミングで
「ずっと見てたんですよ、君をね。初めて見たときからずっと話したいと思っていた。明日から、やっと話せる。明日、楽しみですよ。」
その言葉に江尻は視線をあげてまじまじと浅霧を見た。