ACT83

文字数 595文字

中からマスターがサンドイッチを持って戻ってきた。

「あれ?せっかく作ったのに、騒々しく出て行っちゃったんだね。」
といって、4人分のサンドイッチをテーブルに置いた。

「どうせまだ休憩してないんだろ、一緒にくおうぜ。三人なら食えるだろ。」

「まあ、ちょうど一休みしようかと思ってたし、そうするか。」

そう言うとその足で外の看板を準備中に変えにいく。

浅霧はサンドイッチと自分のコーヒーを持って、もう一人残っていた客の席へと移動した。

「それ先に食べてて、これ片付けてくる。」

そう言うと、さっきまで浅霧が座っていた席のものをトレーに乗せ、奥へと下がっていった。

「で、僕の方は江尻が免許を持っていて車が有るかとか調べればいいのかな?」

「さすがだね、御幸。」
窓際の席にいたのは、御幸だった。

ここに来る前に、メールしておいたのだ。

「漏洩は規律違反だろ?」
さっきまで、4人席で話していたことを言っているらしい。

「ふん。そんな事言ったら、おエラいさんは高級な店の女の子の前で何言っているかわからないよ。」

雲の上の存在の人たちの内緒話が漏れ伝わってくるのは、たいていそういう気の緩みのもとで起きる。

そしてどこからともなく漏れ出て、スクープとして出てくる。
まあ、わざとタイミングを見て流している事もあるが。

例え、当事者同士二人きりで話していたとしても、どこか自分たちだけで作った部屋じゃない限り、誰かしらが関与するものだ。
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登場人物紹介

江尻甫(えじりはじめ)・・・このストーリーの主人公。都内の会社でSEとして働いている。ある日、警察から事情聴取を受ける。

浅霧・・・警視庁の刑事。少し風変わりだが優秀。自分の気に入った事件にはものすごく集中して動く。

結城・・・警視庁の刑事。浅霧の同僚。

御幸・・・なんでも屋。浅霧の大学の同級生。違法行為も行う。

三井・・・所轄の新人刑事

高橋・・・浅霧行きつけの喫茶店のマスター

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