ACT20
文字数 666文字
数日後運命の歯車が、浅霧さんを中心に回っているのではないかと思うタイミングで、僕らの班に北芝署と西品署の合同捜査という形で回ってきた。
珍しく率先して会議に出てくる浅霧さんを見て、班長は面倒そうな顔を僕に向けた。
指揮をとる管理官は、浅霧さんを見つけると一瞬言い表せられないような表情をしたが、視界に入れないように淡々と会議を勧めて、うちの班長に逐一報告するようにとだけ言って何処かへ行ってしまった。
浅霧さんより年下のキャリア組と呼ばれる人たちは、たいてい同じ様な顔をする。
会議とかに浅霧さんが居ないとわかると、偉そうにしているが、いるときはそういう態度を取らない。
浅霧さん自身は、結構適当に仕事をしているが、僕らが働きにくい環境にするようなのを嫌う。
事件解決を急ぐのも大切だから、捜査方針とかにはクレームを入れることはあまりない。
ただモラハラとかパワハラとかになると個人の性格の問題なので、会議中だろうと、大事な時間がないようなタイミングでも関係ない。
率先して苦言を言いそれでも目に余ると、その人の上司にもいい、それもダメだと伯父である笹沼副総監へと上げてしまうからだ。
だから、エリート官僚の皆様からすれば、副総監の衣を借る狐のように見られている。
「身内に横柄な態度をここでやるやつは外でもやる、だから一番守らなきゃならない国民相手にも絶対にやらかす。」
と、副総監と関係が良好だった頃に聞いたらしく、いつだったかその事を話してくれた。
伯父の考えは、多くの部分で賛成出来ないがそういうところは嫌いじゃない。らしい。
でも、僕は知っている。
珍しく率先して会議に出てくる浅霧さんを見て、班長は面倒そうな顔を僕に向けた。
指揮をとる管理官は、浅霧さんを見つけると一瞬言い表せられないような表情をしたが、視界に入れないように淡々と会議を勧めて、うちの班長に逐一報告するようにとだけ言って何処かへ行ってしまった。
浅霧さんより年下のキャリア組と呼ばれる人たちは、たいてい同じ様な顔をする。
会議とかに浅霧さんが居ないとわかると、偉そうにしているが、いるときはそういう態度を取らない。
浅霧さん自身は、結構適当に仕事をしているが、僕らが働きにくい環境にするようなのを嫌う。
事件解決を急ぐのも大切だから、捜査方針とかにはクレームを入れることはあまりない。
ただモラハラとかパワハラとかになると個人の性格の問題なので、会議中だろうと、大事な時間がないようなタイミングでも関係ない。
率先して苦言を言いそれでも目に余ると、その人の上司にもいい、それもダメだと伯父である笹沼副総監へと上げてしまうからだ。
だから、エリート官僚の皆様からすれば、副総監の衣を借る狐のように見られている。
「身内に横柄な態度をここでやるやつは外でもやる、だから一番守らなきゃならない国民相手にも絶対にやらかす。」
と、副総監と関係が良好だった頃に聞いたらしく、いつだったかその事を話してくれた。
伯父の考えは、多くの部分で賛成出来ないがそういうところは嫌いじゃない。らしい。
でも、僕は知っている。