その96

文字数 343文字

そんな事を考えているうちに数分経っていた。

無関係な人間が長いは無用だ。

万が一見回りが来て、見つかったときの言い訳とかが厄介だ。
さっさと出るに限る。

踵を返す瞬間。

いつの間にかポケットに手を突っ込んでいたので、気が付いて手を引き抜いた際、ポケットにねじ込んでいた物が落ちてしまった。

身バレするものを突っ込んではいなかったとは思うが、もし万が一大切なものだったりすると、後で気づいたときに面倒なので拾って帰らなければならない。

急に電気をつけるのも変なので、とりあえず落ちたあたりを目を細めて探す。

自分の体を盾にして、スマホをかざしてみる。

たしかこっちの方向だったと思う。
見当たらない。

光がもれないように、ほんの少しだけ光を向ける方向を変える。
通路を歩く足音が聞こえた気がする。
気ばかりが焦る。
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登場人物紹介

江尻甫(えじりはじめ)・・・このストーリーの主人公。都内の会社でSEとして働いている。ある日、警察から事情聴取を受ける。

浅霧・・・警視庁の刑事。少し風変わりだが優秀。自分の気に入った事件にはものすごく集中して動く。

結城・・・警視庁の刑事。浅霧の同僚。

御幸・・・なんでも屋。浅霧の大学の同級生。違法行為も行う。

三井・・・所轄の新人刑事

高橋・・・浅霧行きつけの喫茶店のマスター

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