Discloseー51

文字数 455文字

甫は、徒歩で20分くらいの見晴らしのいい公園に、車で結果に待機させていた。

本間を始末したあとそこで合流し、都内に戻る予定だった。

しかし、その前に甫は本間とともに確保されてしまった。
連絡が取れなくなった結果は、すぐにバレたと思ったのかもしれない。

あの夜、浅霧と対面し色々と観念し始めた頃に車の中で意識がない状態で発見された。

すぐに救急車で運ばれたが数時間後、息をひきとった。

取調べ中は、甫にはその事を伏せたままにしていた。
供述が取れなくなる恐れがあったからだ。

しかし、それも杞憂だった。
殆どの取り調べが終わり、結果について知らせても

「へぇ、死んだんだ・・・。」
とだけつぶやくと、割と気にも止めて無いようだった。

この兄と妹は、どこか少しずつ何かを欠落しているんだろうという印象だ。

こういう部分を弁護士は、精神鑑定が必要だと言い出す気もするが、本人が
「僕、病気だなんて思ってないですよ。」

と、最後の日にそう浅霧に言って、取調室から連れて行かれた。

殆どの供述がとれ、この事件に幕が下りたと思っていた。浅霧さんを除いて。
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登場人物紹介

江尻甫(えじりはじめ)・・・このストーリーの主人公。都内の会社でSEとして働いている。ある日、警察から事情聴取を受ける。

浅霧・・・警視庁の刑事。少し風変わりだが優秀。自分の気に入った事件にはものすごく集中して動く。

結城・・・警視庁の刑事。浅霧の同僚。

御幸・・・なんでも屋。浅霧の大学の同級生。違法行為も行う。

三井・・・所轄の新人刑事

高橋・・・浅霧行きつけの喫茶店のマスター

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