ACT32
文字数 666文字
「そんなのは、いつだっていいよ。」
彼は、ほしい情報なら自分で手に入れることも出来るのだ。
色んな手を使って。
御幸からその手のことを言うことはない。
それを知れば、俺の立場が悪くなることを知っているからだ。
それと、話し相手の表情や仕草、そういったものでも何らかの情報を手に入れる変人でもある。
「そう言えば御幸、お前この前田中に聞いたんだけどさ。」
「ん、田中?」
どこの田中だよ、と言いたいらしい。
「医者になったやつ。」
「あぁ。」
あいつか、という顔をした。
「お前が催眠術まで習得したって。」
ちょっと、考えて
「あぁ、あれね。あれは、あいつが催眠療法とか言うのを治療に取り入れてるっていうから、あいつに出来るなら出来るかなって。」
さも当たり前だと言わんばかりだ。
「俺には使うなよ。」
と、冗談で言う。
「催眠術はね、かかるやつとかからないやつがいるの。君は、絶対にかからない人。断言する。」
「そんもんなのか。」
と言いながらも、何となく自分でもそんな気はしている。
「まあ、いつも連れているあいつはかかるだろうな。」
そのあいつは、御幸の特異の餌食だ。
顔に出さない俺からも読み解いていくから、渡ってもいいような情報だったら、結城を連れ来る。
結城は、御幸の存在を知らない。
だから面と向かっては彼と話すことはないが、周りへの警戒心が薄いのは、俺が重要な話をするときは既に場所を選んでいることを知っているからだ。
そういう意味で、時々彼は緊張感が緩む。
それはいいところでもあり、悪いところでもある。
ちょっとヒントがほしい御幸にとっては、たったそれだけで十分なのだ。
彼は、ほしい情報なら自分で手に入れることも出来るのだ。
色んな手を使って。
御幸からその手のことを言うことはない。
それを知れば、俺の立場が悪くなることを知っているからだ。
それと、話し相手の表情や仕草、そういったものでも何らかの情報を手に入れる変人でもある。
「そう言えば御幸、お前この前田中に聞いたんだけどさ。」
「ん、田中?」
どこの田中だよ、と言いたいらしい。
「医者になったやつ。」
「あぁ。」
あいつか、という顔をした。
「お前が催眠術まで習得したって。」
ちょっと、考えて
「あぁ、あれね。あれは、あいつが催眠療法とか言うのを治療に取り入れてるっていうから、あいつに出来るなら出来るかなって。」
さも当たり前だと言わんばかりだ。
「俺には使うなよ。」
と、冗談で言う。
「催眠術はね、かかるやつとかからないやつがいるの。君は、絶対にかからない人。断言する。」
「そんもんなのか。」
と言いながらも、何となく自分でもそんな気はしている。
「まあ、いつも連れているあいつはかかるだろうな。」
そのあいつは、御幸の特異の餌食だ。
顔に出さない俺からも読み解いていくから、渡ってもいいような情報だったら、結城を連れ来る。
結城は、御幸の存在を知らない。
だから面と向かっては彼と話すことはないが、周りへの警戒心が薄いのは、俺が重要な話をするときは既に場所を選んでいることを知っているからだ。
そういう意味で、時々彼は緊張感が緩む。
それはいいところでもあり、悪いところでもある。
ちょっとヒントがほしい御幸にとっては、たったそれだけで十分なのだ。