ACT26

文字数 410文字

「俺を見失ったとして、窓際で班長がメシ食ってたら結城だったらどうする?」
ニヤニヤしている。結城はきかれやしないかとドキドキとしているのに。

そして一応想像する。
軽く300人くらい余裕では入れそうな広さ。そこにある、テーブルや椅子。
席を探す人、ガツガツ食べている人、歓談している人・・・。

一番人が多く食事をする時間帯だとしても、それでも極力会いたくない人は見つけられる。

班長は小柄だが、特にすぐわかる。

「そうですね、まあ会いたくないので入り口で見つけたらまずは出ますね、別な時間か別な場所にします。」

「もし、注文してトレーを受け取ってから気づいたら、どうする?」
まだニヤニヤしている。

「極力、視界から外れるような席を探して、気配消します。」
うんうん、とやっぱり頷いている。

何を聞きたいんだ。

「あ!」
急に三井が声を上げた。

「一度なら、偶然かもしれないですけど、二度は出来すぎですか?」
初めて、朝霧が三井に興味がある顔を示した。
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登場人物紹介

江尻甫(えじりはじめ)・・・このストーリーの主人公。都内の会社でSEとして働いている。ある日、警察から事情聴取を受ける。

浅霧・・・警視庁の刑事。少し風変わりだが優秀。自分の気に入った事件にはものすごく集中して動く。

結城・・・警視庁の刑事。浅霧の同僚。

御幸・・・なんでも屋。浅霧の大学の同級生。違法行為も行う。

三井・・・所轄の新人刑事

高橋・・・浅霧行きつけの喫茶店のマスター

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