Discloseー37
文字数 512文字
タクシーの中に入ったせいか、外の雨音が車体を叩きつける音でマイクを通して強く感じられる。
浅霧はその音を聞きながら、この2人の高鳴る気持ちと連動したのではないかと感じ取っていた。
走り出して少ししてから
「わるいね、親父。今日仕事でタクシー乗ったんだけど、領収書失くしちゃってさ。だいたい5千円くらいなんだけど。
適当に流してとりあえず2人の家に向かってくれる?結果、先に降ろすから。」
それに対して、父親は「おお、わかった。」
と小さく答えると、運転に集中している。
こんな大雨じゃ、視界も悪くプロの運転手も真剣にいつも以上に真剣に運転せざるを得ないのだろう。
しばらくは、父親の声は聞こえなかった。
雨が止むまで、お風呂でも入って休めばと提案したのは結果だった。
とのことで途中のコンビニに寄ることが決まった。
「あ、父さん。たしかこの先の道路冠水するから雨天通行止めじゃなかった?」
と結果の声が聞こえる。
「あ~そうだったな、じゃあ・・・。」
と言って、その少し前のところで曲がった。その時なぜかカメラは自然と窓の外へと向かう。
室内の熱気のせいで、客席が少し曇っていたのだが、それを手で拭いて外が見えるようになった。
映っていたのは歩道橋だった。
浅霧はその音を聞きながら、この2人の高鳴る気持ちと連動したのではないかと感じ取っていた。
走り出して少ししてから
「わるいね、親父。今日仕事でタクシー乗ったんだけど、領収書失くしちゃってさ。だいたい5千円くらいなんだけど。
適当に流してとりあえず2人の家に向かってくれる?結果、先に降ろすから。」
それに対して、父親は「おお、わかった。」
と小さく答えると、運転に集中している。
こんな大雨じゃ、視界も悪くプロの運転手も真剣にいつも以上に真剣に運転せざるを得ないのだろう。
しばらくは、父親の声は聞こえなかった。
雨が止むまで、お風呂でも入って休めばと提案したのは結果だった。
とのことで途中のコンビニに寄ることが決まった。
「あ、父さん。たしかこの先の道路冠水するから雨天通行止めじゃなかった?」
と結果の声が聞こえる。
「あ~そうだったな、じゃあ・・・。」
と言って、その少し前のところで曲がった。その時なぜかカメラは自然と窓の外へと向かう。
室内の熱気のせいで、客席が少し曇っていたのだが、それを手で拭いて外が見えるようになった。
映っていたのは歩道橋だった。