その106
文字数 556文字
不意を突かれた質問が飛んできた。
思わぬ質問で、きっと顔は固まっている。
せっかく外した視線を、思わずその顔のまま向けてしまった。
御幸は笑顔でこちらを見ている。
「・・・どういう意味です?」
うざったい・・・。
やっと出てきた言葉。
笑顔のままで言ってくる。
「いえ、先日街で見かけたような気がしたんですが、眼鏡をかけていたんで、江尻さんかどうかわからなくて、声を掛けなかったんですよ。」
先日?
ここ最近で眼鏡をかけたのは、あの病院へ行った時だ。
近くにこの人がいたのか・・・。
否定すべきか。
肯定すべきか。
見られ方がわからない以上、否定して会話が長引くのは避けたい。
「ええ、まあそうですね。」
より短い会話で済ませる。
余計な情報を与えたくない。
今すぐこの場から離れたい。
「ああ、やっぱりそうだったんですね。声を掛ければよかった。あの辺はお仕事で?」
帰りたがっているのを察するって知らないのだろうか・・。
「さあ、どうだったかな。眼鏡も時おり掛けるので・・・。」
早く離れたい。
「そうなんですね、3~4日前なんですけど。」
まさしくその日だ・・・。
「かけてたかも、しれませんね。」
じゃ。
そういって離れようとしたのに、まだ食い下がってくる。
「それが、そのあと別な場所でもお見かけしたようなんですけど
・・・。」
つい、また視線を合わせてしまった。
思わぬ質問で、きっと顔は固まっている。
せっかく外した視線を、思わずその顔のまま向けてしまった。
御幸は笑顔でこちらを見ている。
「・・・どういう意味です?」
うざったい・・・。
やっと出てきた言葉。
笑顔のままで言ってくる。
「いえ、先日街で見かけたような気がしたんですが、眼鏡をかけていたんで、江尻さんかどうかわからなくて、声を掛けなかったんですよ。」
先日?
ここ最近で眼鏡をかけたのは、あの病院へ行った時だ。
近くにこの人がいたのか・・・。
否定すべきか。
肯定すべきか。
見られ方がわからない以上、否定して会話が長引くのは避けたい。
「ええ、まあそうですね。」
より短い会話で済ませる。
余計な情報を与えたくない。
今すぐこの場から離れたい。
「ああ、やっぱりそうだったんですね。声を掛ければよかった。あの辺はお仕事で?」
帰りたがっているのを察するって知らないのだろうか・・。
「さあ、どうだったかな。眼鏡も時おり掛けるので・・・。」
早く離れたい。
「そうなんですね、3~4日前なんですけど。」
まさしくその日だ・・・。
「かけてたかも、しれませんね。」
じゃ。
そういって離れようとしたのに、まだ食い下がってくる。
「それが、そのあと別な場所でもお見かけしたようなんですけど
・・・。」
つい、また視線を合わせてしまった。