Disclose-7
文字数 661文字
理由を聞けば、
「連行されたと思われる、江尻甫氏についてお話したいことがあるとお伝え下さい。」
ということで、急遽浅霧がその男性と話すこととなった。
彼はスーツを着て登場したのに、一見してサラリーマンのたぐいではないというのだけは雰囲気で察することのできる相手だった。
そして、弁護士とかでもない。
スーツも靴も割とくたびれて見える。
浅霧が名刺を出して挨拶すると、その男性も名刺を出してきた。
そこには、探偵 倉沢一夫と記載されていて、後は連絡先のみの至ってシンプルな名刺だった。
「私は、阪本氏から依頼を受けておりました。奥様と相談した上で、本来なら守秘義務の案件ですが、こちらに報告したほうが良いとい判断し、本日お伺いに参りました。」
探偵の倉沢と名乗る男が訪ねてたせいもあり、午後の江尻の聴取は始めの数分結城が一人で話をしなければならなかった。
とは言っても、記録係もいるので実質は江尻とふたりっきりというわけではないのだが。
本当は、この午後のタイミングから浅霧が江尻と対峙し話を聞くはずだったが、倉沢の出現で浅霧は少しその対応をしてから向かうと言って、場繋ぎを頼まれたのだ。
自分の出番は、午前中で終わっていたので、あまり話すこともなくさっきも聞いた内容をなめるように聞き直す作業をしていた。
江尻は不満そうに答えているのが声でわかる。
「僕だってね、さっさと切り上げて交代したいよ・・・。」
と、内心思ってはいたが、さとられないように根気よく、しかもゆっくり目に質問を繰り返した。
始まってから、15分後。
ようやく浅霧が取調室に戻ってきた。
「連行されたと思われる、江尻甫氏についてお話したいことがあるとお伝え下さい。」
ということで、急遽浅霧がその男性と話すこととなった。
彼はスーツを着て登場したのに、一見してサラリーマンのたぐいではないというのだけは雰囲気で察することのできる相手だった。
そして、弁護士とかでもない。
スーツも靴も割とくたびれて見える。
浅霧が名刺を出して挨拶すると、その男性も名刺を出してきた。
そこには、探偵 倉沢一夫と記載されていて、後は連絡先のみの至ってシンプルな名刺だった。
「私は、阪本氏から依頼を受けておりました。奥様と相談した上で、本来なら守秘義務の案件ですが、こちらに報告したほうが良いとい判断し、本日お伺いに参りました。」
探偵の倉沢と名乗る男が訪ねてたせいもあり、午後の江尻の聴取は始めの数分結城が一人で話をしなければならなかった。
とは言っても、記録係もいるので実質は江尻とふたりっきりというわけではないのだが。
本当は、この午後のタイミングから浅霧が江尻と対峙し話を聞くはずだったが、倉沢の出現で浅霧は少しその対応をしてから向かうと言って、場繋ぎを頼まれたのだ。
自分の出番は、午前中で終わっていたので、あまり話すこともなくさっきも聞いた内容をなめるように聞き直す作業をしていた。
江尻は不満そうに答えているのが声でわかる。
「僕だってね、さっさと切り上げて交代したいよ・・・。」
と、内心思ってはいたが、さとられないように根気よく、しかもゆっくり目に質問を繰り返した。
始まってから、15分後。
ようやく浅霧が取調室に戻ってきた。