Disclose34

文字数 764文字

そこにすでにバイトとして働いていた結果は、店員として接しながらも意図を伝えずにうまく常連になるように誘導していった。

社内に入ってしまえば、割と簡単に情報も人も操作できたらしい。

会員になった際に、その店舗で使えるWi-Fiのパスワードを発行する決まりになっていたが、その2人と甫にだけ別のパスワードを渡し、コントロールできる環境下においたのだ。

そういった条件をクリアしていき、実行犯2人とそれを計画した2人あわせて4人があの店へと集結した理由だった。

甫が結果に後ろめたさを感じていた部分が無いとは言えなかったが、モヤモヤとした部分を吹っ切れるならまあいいかという正確だったのもあり、2人の計画にはブレーキが効いてなかった。

せっかくだから、楽しもうとい言う提案に乗り、引きこもりだったころの結果のために行動を可能な限り映像として撮り、ドラマの主人公のように振る舞うことにした。

準備が整ったところからスットーリーが始まる。
その映像は、結果が逮捕された時に押収された記録媒体に残っていた。

残っていたことに、甫は驚いていた。

楽しんだら映像も含め、証拠になりそうなものは破棄しようと約束していたらしいが、結果は
「そんな何度も経験できないようなことを記録したのに、消去するなんてありえない。」
と笑って答えていた。

予想外に雨が降ったあの日、雨の中HIROBAにやってきて、受付を済ませ広い室内に入る。

そこでは御幸のところのスタッフも警察も何度も見たように席を確保し、飲み物を取りに行き、病的なほどに同じ場所に持ち物と飲み物をセットする。

御幸と監視していた刑事の証言によると、いつも同じ時間にパソコンで作業し、その間何回かスマホを見て操作し、その後同じ時間またパソコンに向かい同じ時間に帰る報告を受けている。

その報告とはあの日の行動が違っていた。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

江尻甫(えじりはじめ)・・・このストーリーの主人公。都内の会社でSEとして働いている。ある日、警察から事情聴取を受ける。

浅霧・・・警視庁の刑事。少し風変わりだが優秀。自分の気に入った事件にはものすごく集中して動く。

結城・・・警視庁の刑事。浅霧の同僚。

御幸・・・なんでも屋。浅霧の大学の同級生。違法行為も行う。

三井・・・所轄の新人刑事

高橋・・・浅霧行きつけの喫茶店のマスター

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み