Disclose56

文字数 534文字

さっさと面倒なことを済ませて、追い出そうというのを感じられる。

「コレ見てもらえますか?」
そう言って、部屋の写真を見せる。

少し老眼なのか、テーブルの脇に置いてあったメガネを掛け浅霧が出した写真を覗く。

「合わせて、コレもお持ちしました。」
それは、賃貸物件のところにある見取り図だ。

2DKの間取り。それぞれも部屋は6畳ずつでお世辞にも広い部屋じゃない。

DKのほうも、なくてはならない冷蔵庫や収納を置いて、さらにちょっとしたダイニングテーブルと椅子を置いたらもう人が歩くスペースギリギリだろうというサイズだ。

「あれ、これは…。」
といいながら顔をあげた。

「流石ですね、お気づきですか。」
「お気づきも何も、ここにこの前まで住んでましたから。」

そう言って、写真と間取り図を浅霧に突き返してきた。

「甫氏が、よく計画を結果氏と電話で立てていたそうなんです。そこで、実況見分したかったのですが、引っ越されたと聞いてここに来たわけです。」
と、見せた理由を伝えた。突き返された間取図と写真を改めて広げる。

勿論、健太郎から見やすいように置いてある。

「あの子らが何を話していたかわかりませんよ、私は殆ど家にいませんでしたから。」
と牽制してくる。まあ、自分は知らなかったというのを言いたいのだろう。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

江尻甫(えじりはじめ)・・・このストーリーの主人公。都内の会社でSEとして働いている。ある日、警察から事情聴取を受ける。

浅霧・・・警視庁の刑事。少し風変わりだが優秀。自分の気に入った事件にはものすごく集中して動く。

結城・・・警視庁の刑事。浅霧の同僚。

御幸・・・なんでも屋。浅霧の大学の同級生。違法行為も行う。

三井・・・所轄の新人刑事

高橋・・・浅霧行きつけの喫茶店のマスター

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み