Disclose40

文字数 531文字

少しして急に画面が動き出した。
それに伴って、音声がしっかり聞こえるようになる。

帰りコレ着て行くんでしょ。
と結果が何かを持ってきた。
スーツだった。

別角度で探偵から提出されたものと色が違う。どうやらここにもう1着用意されてあったらしい。

視線が動いた先でのものが映った時に、黒い塊が入ったビニール袋が見えた。

映像解析者が言うには、布のように見えるので、脱いだ服じゃないかと言うことだった。

そうなると、スーツを用意していた時点で、用意周到さがわかる。

「じゃ、また適当に送るよ。」
そう言うと、甫は玄関で靴を履いている。どうやら今住んでいるところへと帰るようだ。

「この辺のものは適当に捨てておくよ。」
そう言って袋にまとめて、翌日ゴミ捨て場に捨ててあったものは探偵によって回収され、何重にもビニールに入れられて冷蔵で保管されていた。

「私達はそんなに長い期間、保管できる体制にはありませんので。」
と証拠として提出してくれた探偵は言っていた。

甫が一人で、さっき父親に降ろされただろうところに戻るとまだタクシーは着ていなかった。

それから数分スマホをいじっている。画像上の時間を見るとまだ指定時間まであるから、甫は少し余裕を持って出てきたのだろう。

すると予定の時間に、タクシーが来た。
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登場人物紹介

江尻甫(えじりはじめ)・・・このストーリーの主人公。都内の会社でSEとして働いている。ある日、警察から事情聴取を受ける。

浅霧・・・警視庁の刑事。少し風変わりだが優秀。自分の気に入った事件にはものすごく集中して動く。

結城・・・警視庁の刑事。浅霧の同僚。

御幸・・・なんでも屋。浅霧の大学の同級生。違法行為も行う。

三井・・・所轄の新人刑事

高橋・・・浅霧行きつけの喫茶店のマスター

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