Discloseー35

文字数 609文字

警察に来た探偵は御幸が用意した人物で体の良い部分を編集した証拠映像だったのだが、その対比を見るとわかりやすかった。

その日はいつもよりもかなり早い時間で、HIROBAを出ている。
その後、電車に乗り変な演出を入れている部分は捜査員は一同に呆れていた。

改札でまごまごしてみたり、いざ電車に乗れば割と空いている車両なのに、なぜかレインコートを来ている2人が一人分の間隔を空けて座っているところへとわざわざ座り、飲み物を揺れたタイミングでかけられたりしている。

そして、普段降りない駅でその飲み物をかけた人物と甫が電車を降りた。

レインコートを着た2人は甫たちが降りた後に、何食わぬ顔して数駅後に降りていった。

何回か確認のために映像をみてハッとした。

かけている人物は結果だった。
少し若い女性を演じているようだ。

2人はさも初対面のように振る舞い、謝る結果と迷惑そうな素振りの甫。

外から見たなら、なんとも同情を誘うような1シーンに映る。
つまりはそういう印象的な事象が起きていて、もしそのことを聞かれれば少なくとも甫にはアリバイがあるような光景が広がったと思われる。

浅霧はそれ以外の部分で偶然映った御幸の自称助手の黒栖が写り込んでいたのがおかしくて吹き出しそうだった。

こういう失敗をしない人間だと思っていたが、通行人を装っているだけだから構わないと判断したのかもしれない。

あいつが事務所以外に出ることもあるんだと、初めて知った瞬間だった。
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登場人物紹介

江尻甫(えじりはじめ)・・・このストーリーの主人公。都内の会社でSEとして働いている。ある日、警察から事情聴取を受ける。

浅霧・・・警視庁の刑事。少し風変わりだが優秀。自分の気に入った事件にはものすごく集中して動く。

結城・・・警視庁の刑事。浅霧の同僚。

御幸・・・なんでも屋。浅霧の大学の同級生。違法行為も行う。

三井・・・所轄の新人刑事

高橋・・・浅霧行きつけの喫茶店のマスター

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