ACT8

文字数 397文字

そんな事 を、結城が悶々と考えているころ、浅霧はスマホを眺めていた。

何件か班長から着信があった。
要件がわかっているから、あえて掛け直すことは浅霧からはしない。

浅霧が出ないだろうことくらいは理解しているので、結城がついてからはしばらく、掛けてくる事はなかった。

しかし、あまりに頻繁で最近結城も面倒がって出ないからか、根本(こんぽん)の理由の浅霧にまたかかってくるようになったのだ。

そして浅霧が本当に連絡の欲しい御幸からはというと、特に何も連絡がこない。
動きがあるまでは、あいつは何も言わない。

班長以外からも数件、メッセージが届いていたが、見ると(特に伯父からのは)面倒な件ばっかりなのでスルーした。

数分後、結城が飲み物を持って俺の前に座るや否や、
「あれ、もしかして島田じゃないですか?」
と、まだ両手がふさがっていたので顔と目だけで合図してきた。

結城の合図した方を見ると女性が一人、男性が4人いた。
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登場人物紹介

江尻甫(えじりはじめ)・・・このストーリーの主人公。都内の会社でSEとして働いている。ある日、警察から事情聴取を受ける。

浅霧・・・警視庁の刑事。少し風変わりだが優秀。自分の気に入った事件にはものすごく集中して動く。

結城・・・警視庁の刑事。浅霧の同僚。

御幸・・・なんでも屋。浅霧の大学の同級生。違法行為も行う。

三井・・・所轄の新人刑事

高橋・・・浅霧行きつけの喫茶店のマスター

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