Disclose52

文字数 535文字

数日後、東京から少し離れた閑静な住宅街に結城はいた。浅霧が出かけるからついていけと、班長に言われたからだ。

江尻甫の送検後、色々あった。
村田結果の密葬があった。

大々的には報じられなかったが、事件に関係していることもあり、親族も一部しか集まらなかったらしい。

そこで数年ぶりに、甫と結果の両親が顔を合わせた。唯一警察関係者の中で、葬儀に参加した班長によると、式の最中殆ど視線を合わせることなく、葬儀屋に任された葬式後、結果の遺骨はすぐに墓に収められたらしい。

その数日後、全てを見届けたからなのだろうか中西氏の容態急変し、結局意識が回復しないまま亡くなった。

その葬儀には、自分が行くと言って浅霧が参加した。
その翌日、珍しく浅霧は有給を取って職場に顔を出さなかった。

犯人が逮捕され、検察に引き渡されて帳場は解散になったが、その後班長と浅霧は随分と深刻そうに話し合っていた。

そして、今日を迎える。

向かった先に、浅霧がアポ無しで会いに来た人物がいる。その人物は最近ここへと引っ越したのだ。

職場を辞め、独立したと聞いた。まあ、もとの職場には居づらいのだろう。

世間からのバッシングから避けてここにたどり着けたのは、逮捕され罰を受ける矢面に立った側が、「江尻甫」だったからというのも大きい。
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登場人物紹介

江尻甫(えじりはじめ)・・・このストーリーの主人公。都内の会社でSEとして働いている。ある日、警察から事情聴取を受ける。

浅霧・・・警視庁の刑事。少し風変わりだが優秀。自分の気に入った事件にはものすごく集中して動く。

結城・・・警視庁の刑事。浅霧の同僚。

御幸・・・なんでも屋。浅霧の大学の同級生。違法行為も行う。

三井・・・所轄の新人刑事

高橋・・・浅霧行きつけの喫茶店のマスター

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