Discloseー15
文字数 493文字
今、浅霧は変な言い回しをした。
「フロアだったけど・・・。」
たしかにそういった。
さっきは「上司だった」と森宮氏のことを言っていたのに。
言い間違いだろうか?
いや、言い間違いじゃないのかもしれない。
よく見れば、江尻の態度がそれを示している。
森宮氏と同じ質問が出されているが、適当な相槌で流している。
結城はふとそのやり取りを聞きながら
「江尻は、そんなに中西氏のことを知らないのではないのだろうか?」
というイメージを持ち始めた。
だったらなぜ、危険を犯してまでわざわざ病院に『偽名』で訪ねて来たのか。
そしてその後すぐ更に危険を犯してまで侵入し、襲撃したのだろうか。
そんな疑惑を感じながらも、浅霧が出し続ける質問に適当に答えている江尻を観察する。
どんどんと質問が重ねられていくと、そこにダメージが積み重なっていく様を見届けた中で、
「最後に、まだ目が覚めない中西氏に何か伝えたいことありますか?」
「・・・」
明らかに今までの中で一番驚いている。
そして、みるみるうちに落胆していく。
血の気が引いていく顔というのを、結城は多分目の当たりにするのは、初めてかもしれないと思った。
「・・・そう、あれ失敗したの?」
「フロアだったけど・・・。」
たしかにそういった。
さっきは「上司だった」と森宮氏のことを言っていたのに。
言い間違いだろうか?
いや、言い間違いじゃないのかもしれない。
よく見れば、江尻の態度がそれを示している。
森宮氏と同じ質問が出されているが、適当な相槌で流している。
結城はふとそのやり取りを聞きながら
「江尻は、そんなに中西氏のことを知らないのではないのだろうか?」
というイメージを持ち始めた。
だったらなぜ、危険を犯してまでわざわざ病院に『偽名』で訪ねて来たのか。
そしてその後すぐ更に危険を犯してまで侵入し、襲撃したのだろうか。
そんな疑惑を感じながらも、浅霧が出し続ける質問に適当に答えている江尻を観察する。
どんどんと質問が重ねられていくと、そこにダメージが積み重なっていく様を見届けた中で、
「最後に、まだ目が覚めない中西氏に何か伝えたいことありますか?」
「・・・」
明らかに今までの中で一番驚いている。
そして、みるみるうちに落胆していく。
血の気が引いていく顔というのを、結城は多分目の当たりにするのは、初めてかもしれないと思った。
「・・・そう、あれ失敗したの?」