Disclose42
文字数 497文字
ただ、これは兄妹の策略だった。
わざと遠回りしなければならないように、考えられた指示だった。
しかしもう信号のところでしか曲がれず、しかも回転禁止区域。変則4差路は一つ先で曲がるだけでぜんぜん違う方向へと進んでしまう。
甫が行きたかった方へと進むためには、その曲がった先の2つ目の信号を一旦左へと降りてから、交差する下道を通らなければならない。
それも計算のうちの指示だった。
思惑通りに運転手は進む。
父親が万が一来たなら、別な理由でこのルートを教える予定だったという。
すると大きな道路に差し掛かった。
体育館と公園が大きな橋のような歩道橋で繋がっている。
昼間通ればいつもたくさんの人が利用するこの歩道橋も、さすがの雨でこの時間帯にはほぼ人の往来はない。
しかし、今日はここに人がいることを、甫は知っていた。
自分が仕込んでいたからだ。
道を間違えたことで運転手は気づいていないようだったが、黒い傘を持った人影と、傘をさしていない人影を目で追っているので、車窓からメガネに付いたカメラ越しに映っていたのを確認している。
つまり彼らは、時間を調整しその確認のために車を走らせ、それを動画に撮り2人で楽しんでいたのだ。
わざと遠回りしなければならないように、考えられた指示だった。
しかしもう信号のところでしか曲がれず、しかも回転禁止区域。変則4差路は一つ先で曲がるだけでぜんぜん違う方向へと進んでしまう。
甫が行きたかった方へと進むためには、その曲がった先の2つ目の信号を一旦左へと降りてから、交差する下道を通らなければならない。
それも計算のうちの指示だった。
思惑通りに運転手は進む。
父親が万が一来たなら、別な理由でこのルートを教える予定だったという。
すると大きな道路に差し掛かった。
体育館と公園が大きな橋のような歩道橋で繋がっている。
昼間通ればいつもたくさんの人が利用するこの歩道橋も、さすがの雨でこの時間帯にはほぼ人の往来はない。
しかし、今日はここに人がいることを、甫は知っていた。
自分が仕込んでいたからだ。
道を間違えたことで運転手は気づいていないようだったが、黒い傘を持った人影と、傘をさしていない人影を目で追っているので、車窓からメガネに付いたカメラ越しに映っていたのを確認している。
つまり彼らは、時間を調整しその確認のために車を走らせ、それを動画に撮り2人で楽しんでいたのだ。