その26

文字数 595文字

すこしでも、いい気分を保ちたくて
「じゃあ、ちょっと飲み物だけ買ってきてもいいですか?」
というと、4人は目配せして、それは了承してくれた。

そこに、一人だけ着いてきた。

飲み物を買うのかと思ったら、僕の見張りだったらしく、彼は何も買わずに出てきた。

カフェの近くに花壇のある散策路があり、ベンチとかは無いが、膝くらいの高さの大きい花壇だから、何人かそこに座ってお昼とかを食べている。

僕も数人座れる場所に陣取って、ちょこんと座ると、自分の脇に今買ってきた飲み物を置いた。

順番を守ってくれるのか、先に約束したと思われる三井が僕の斜め前に立ち、島田が僕の前に立った。

ガッチリした人が目の前に立たれると圧迫感がある。

(そんなところに立たなくても、4人もいたら、万が一何かしたとしても、逃げたりしないよ、普通は)
と、心のなかで悪態をつく。

つい、大きなため息をついてしまった。

そして、北芝署の二人は三井の向こうに座ってこっちを見ていた。

何となく、さっきよりも怖い顔だ。

「えーっと、こんなところまで連れて来てしまって申し訳ないです。なんか、あの場所にいるのが、ちょっと精神衛生上耐えられなくて・・・。」
と、一応、こっちから話しだした。

人数的に間違いなく不利なので、多少威勢よく話していかないと、気分としては逃げ帰ってベットに潜りたい気分なのだ。

スマホが、マナーモードでさっきから何回か鳴っているが、見るのは後だ。
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登場人物紹介

江尻甫(えじりはじめ)・・・このストーリーの主人公。都内の会社でSEとして働いている。ある日、警察から事情聴取を受ける。

浅霧・・・警視庁の刑事。少し風変わりだが優秀。自分の気に入った事件にはものすごく集中して動く。

結城・・・警視庁の刑事。浅霧の同僚。

御幸・・・なんでも屋。浅霧の大学の同級生。違法行為も行う。

三井・・・所轄の新人刑事

高橋・・・浅霧行きつけの喫茶店のマスター

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