ACT86
文字数 541文字
御幸は黙ってその後ろから見ている。
もしかすると浅霧と同じことを少しは願ってくれているのかもしれない。
「稲荷に願っても仕方がないが、これ以上被害者がでなきゃいいが、遅いかな・・・。」
「どうかな。中西の方はともかく本間は半々かな。」
御幸は渋い顔をしている。
きっと似たような顔を浅霧もしているのだろう。
さり気なく、近くの絵馬を1段ずつなめるように確認していく。
紐の色を変えた目印も見当たらなかった。
おもむろに御幸が
「あ、そういえばあの晩の防犯カメラとか探ったら、面白いのが見れると思うよ。」
と、意味深に言った。
江尻は既にあの日には御幸の観察対象だったのだ。
「ああ、楽しみにしているよ。」
そういうことには触れずにお礼だけ言った。
「さて、行くか。」
神社をあとにしようとしたとき、御幸が立ち止まった。
電話がかかってきたようだった。
浅霧から離れずに話しだしたから、共通の案件のことらしい。
喫茶店で連絡をして1時間も経ってないのにもう調べが終わったらしい。
「君のところは相変わらず優秀だね。」
嫌味じゃなく素直に褒める。
「まあ、僕が自分でやればもう少し早くわかったんだけどね、美味しいコーヒーを楽しく飲みたかったからさ。」
多分本当のことだろう。
しかし、御幸はこういう嫌味っぽいことを気にもせずに言う。
もしかすると浅霧と同じことを少しは願ってくれているのかもしれない。
「稲荷に願っても仕方がないが、これ以上被害者がでなきゃいいが、遅いかな・・・。」
「どうかな。中西の方はともかく本間は半々かな。」
御幸は渋い顔をしている。
きっと似たような顔を浅霧もしているのだろう。
さり気なく、近くの絵馬を1段ずつなめるように確認していく。
紐の色を変えた目印も見当たらなかった。
おもむろに御幸が
「あ、そういえばあの晩の防犯カメラとか探ったら、面白いのが見れると思うよ。」
と、意味深に言った。
江尻は既にあの日には御幸の観察対象だったのだ。
「ああ、楽しみにしているよ。」
そういうことには触れずにお礼だけ言った。
「さて、行くか。」
神社をあとにしようとしたとき、御幸が立ち止まった。
電話がかかってきたようだった。
浅霧から離れずに話しだしたから、共通の案件のことらしい。
喫茶店で連絡をして1時間も経ってないのにもう調べが終わったらしい。
「君のところは相変わらず優秀だね。」
嫌味じゃなく素直に褒める。
「まあ、僕が自分でやればもう少し早くわかったんだけどね、美味しいコーヒーを楽しく飲みたかったからさ。」
多分本当のことだろう。
しかし、御幸はこういう嫌味っぽいことを気にもせずに言う。