その62

文字数 567文字

すんなり当時所属の営業企画部に繋がったので神妙に、かつ、いかにも取引先かという言い回しでお見舞いにあがりたいというと、結構あっさりと病院名を教えてくれた。

しつこく色んな話をされそうだったのを適当にあしらって電話を切った。

病院名がわかったところで、ちょうど出来上がる時間になり店に戻ると、既に持ち帰り用に紙袋に入れられて、置いてある。

「すみません、戻りました。」
そう店員に声掛けすると、商品名の確認とレシートの照合が済んだので、商品を受け取った。

会社に戻ると、休憩時間も30分くらいしかないので、自分の席で食べることにした。

持ち帰ったお弁当はまった甲斐があるだけ、美味しく頂けた。
食べながら持っていく資料を整理し、袋に詰め込んだ。

さっきは持ち忘れていたスマホも、カバンの中に入れる。

もう一度忘れ物が無いことを確認して取引先へと向かった。

電車で数駅先にあるその会社へ行くのに、一度乗り換えをする。
以前、間違えて反対方向へと乗ってしまったことがある。

その方向は、下りなので特急がある。
この駅から上り方面は各駅で止まる。

そして、忙しい日にその下りの特急に乗ってしまってえらい目にあったことを思い出す。

なので、この乗り場では慎重に行動することにしている。

そんなとき、よく会社の最寄り駅で見かける男の子なのか女の子なのか分からない子とすれ違った。

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登場人物紹介

江尻甫(えじりはじめ)・・・このストーリーの主人公。都内の会社でSEとして働いている。ある日、警察から事情聴取を受ける。

浅霧・・・警視庁の刑事。少し風変わりだが優秀。自分の気に入った事件にはものすごく集中して動く。

結城・・・警視庁の刑事。浅霧の同僚。

御幸・・・なんでも屋。浅霧の大学の同級生。違法行為も行う。

三井・・・所轄の新人刑事

高橋・・・浅霧行きつけの喫茶店のマスター

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