ACT3

文字数 575文字

「あの子 たち、元気なのか?」
「ああ、まあね。」

あの子・・・というのは、山田健と中澤兄妹のことだ。

「そうか、僕のところには通り一遍の挨拶状がくるだけだから、本当のところは分からないから、正直助かるよ。」

そのキツネの呪いの事件の関係者で、山田健は高橋の親戚にあたる。

中澤兄妹とは守、紗綾と言い、守は小学生来の健の友人、紗綾は健と結婚して今では夫婦だ。

彼らは、特に健はキツネの呪いに関しては重要な参考人なので、しばらくは警察が監視していた。

というのも、10年前の事件の主犯が健の母親なのだ。

しかし、数年前に健を置いてすでに失踪していて、行方がつかめない。

なので、健が高橋家から離れたあと警察の監視下に置かれていた。

しかし、その10年前の事件について「事件だ」と言っているのが、俺と当時10歳にも満たない健の証言だけで事故として一旦処理されてしまったこともあり、新しい証拠もほぼないことから、1ヶ月後には監視も解かれてしまった。

しかし、浅霧はまだ諦めていないのだ。

顔にも態度にもだしてはいないつもりだったのだが、あのなんでも屋は、どうも僕が腑に落ちてない顔をずっとしていると感づいたらしく、
「暇つぶし」
に、彼らの生存確認を兼ねて動いてくれている。

なんでも屋とは、御幸来夢という大学時代の友人で、時々会って飲む位の間柄だ。

ちなみに、高橋とは会ったことはない。
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登場人物紹介

江尻甫(えじりはじめ)・・・このストーリーの主人公。都内の会社でSEとして働いている。ある日、警察から事情聴取を受ける。

浅霧・・・警視庁の刑事。少し風変わりだが優秀。自分の気に入った事件にはものすごく集中して動く。

結城・・・警視庁の刑事。浅霧の同僚。

御幸・・・なんでも屋。浅霧の大学の同級生。違法行為も行う。

三井・・・所轄の新人刑事

高橋・・・浅霧行きつけの喫茶店のマスター

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