その61

文字数 529文字

色んな店の前を横切るが、どこも混んでいる。
やっぱりコンビニで妥協しようと思い直した。

すると、久しぶりに美味しい肉料理をテイクアウトできる店の前までやってきた。

(並んでない!)

そう思い周りの注意書きなんかも見ずに、注文した。

会計までする時に、どの商品でも10分くらいの待ち時間があると書いてある事に気がついた。

今日みたいにギリギリの時間割の日についてない。
しかし、もう注文してしまったので、待つことにした。

その時ふと思い出した。

そうか、今この待ち時間で前の会社に電話して、中西の入院先を聞けばいいんじゃ・・・。

そう思い立ち、スマホを探す。

ない。

あ、そうだ。
今、充電中だから机に置いてきたんだった・・・。

そう思っていた矢先に、目の前に何たる偶然か公衆電話を見つけた。

電話番号は、流石に元働いていた会社だから知っている。

出来上がりにあと7~8分はあるので、すぐ戻る旨を伝えて電話へと向かった。

幸いなことに、10円と100円が数枚ずつ入っていたので、途切れることはないだろう。

とりあえず電話を掛けた。

受付に繋がり初めて、自分の名前を名乗るのを躊躇した。

そこで、何かいい名前はないかと考えて、あ!っと思いつき
「株式会社カブトの本間と申しますが…。」
と、適当に名乗った。
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登場人物紹介

江尻甫(えじりはじめ)・・・このストーリーの主人公。都内の会社でSEとして働いている。ある日、警察から事情聴取を受ける。

浅霧・・・警視庁の刑事。少し風変わりだが優秀。自分の気に入った事件にはものすごく集中して動く。

結城・・・警視庁の刑事。浅霧の同僚。

御幸・・・なんでも屋。浅霧の大学の同級生。違法行為も行う。

三井・・・所轄の新人刑事

高橋・・・浅霧行きつけの喫茶店のマスター

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