その89

文字数 584文字

その結果。

自分のイメージはここから一旦千葉方面、その後南下して時計回りにと右手に東京湾を望む予定が、時間と距離をかなりオーバーした挙げ句に、東京方面から千葉方面へと向かうことになった。

そして、海上の色んな景色に目を奪われたと、そのまま降りるルートに突入してしまった。

仕方なく、一般道に降りてしまったので、路肩に停めてナビの設定をし直し、一旦返却することにした。

東京の路上初心者にはこの後更に容赦ないことがナビがあっても待ち受けている。

例えば、首都高と一般道が一緒に並んでいるとカーシェアのナビは、標準に近いモデルだからなのか、時々どっちを走っているのか、わからなくなる。

東京は意外とどんどん道が変わり、ナビ上では異空間を走行したりする。

そうやって今、表示がしっかりされずに行きたい方向へと行けなかった。

と、自分に言い聞かせるように言い訳をする。

とにかく。

思ったとおりに進まないのだ。

そして極めつけは、いいサービスなのか不明な、渋滞を回避するモードでのルート決め。

回避するからと言って連れてこられた先にあったのは、事もあろうに朝ごはんを買ったあのコンビニの近くだった。

時計を見ると、7時を過ぎている。
道理でお腹も空いたわけだ。

仕方がないので、まさかの朝ごはんに続き夜ご飯もここのコンビニのご飯になった。

朝は、簡単なもので済ませたが、せっかくなのでお弁当を買うことにした。
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登場人物紹介

江尻甫(えじりはじめ)・・・このストーリーの主人公。都内の会社でSEとして働いている。ある日、警察から事情聴取を受ける。

浅霧・・・警視庁の刑事。少し風変わりだが優秀。自分の気に入った事件にはものすごく集中して動く。

結城・・・警視庁の刑事。浅霧の同僚。

御幸・・・なんでも屋。浅霧の大学の同級生。違法行為も行う。

三井・・・所轄の新人刑事

高橋・・・浅霧行きつけの喫茶店のマスター

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