Disclose62

文字数 743文字

「知ってますか?まるで俳優か有名人にでもなったかのように振る舞い、動画を彼女に送り続けていたんですよ。妹思いのいいお兄さんだったんですね。
でも結果氏が主であると革新したのが、プランを錬っているのが結果氏であると気づいたからなんです。」

飲み物を電車で掛けられるシーン、病院へたどり着くシーン、2回目に病院へ訪れるシーン、本間が命を断つシーン。

それらの構想を寝る二人のやり取りも別途残っていた。

それを聞くと、2流小説のようなエッセンスを、会話の端々に入れると甫がそれを広げてどういう話にしていきたいか膨らませる。

それを組み立ててたった一人の聴衆のために作られている滑稽さ。

ただ、最近になってどこかで操られているのではと気づいたらしく彼は、この一連の事件を最後に、もう終わらせようとしていたらしい。

「制作過程から編集内容、編集過程の動画全てを彼は廃棄しようとしてましてね、危機一髪で回収できました。」

アクアラインで彼は、主人公に成りきって用意していたSDカードを捨てようとしていた。

しかし、実際はそのカードとほとんどの編集が終わった作業パソコンを水没させてから処分し、中のハードディスクは初期化した上で抜いて、それを海に投げ捨てようとしていた。

そこに知人が通りかかり、行きのアクアラインで捨てられなかったので、帰りにまた立ち寄りもう一度チャレンジしようと企んでいた。

ただ、甫にとっては想定外に保護、逮捕されてしまって手元にそのハードディスクが残ってしまった。

初期化されたものも復元されその中を開くと、赤裸々に二人の計画が残っていて結果が色んな事を織り交ぜながら、色んな有名小説家のトリックネタを甫に提案しているのが見て取れた。

通話の音声データも残っている。
そのほとんどは画像つきの通話だった。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

江尻甫(えじりはじめ)・・・このストーリーの主人公。都内の会社でSEとして働いている。ある日、警察から事情聴取を受ける。

浅霧・・・警視庁の刑事。少し風変わりだが優秀。自分の気に入った事件にはものすごく集中して動く。

結城・・・警視庁の刑事。浅霧の同僚。

御幸・・・なんでも屋。浅霧の大学の同級生。違法行為も行う。

三井・・・所轄の新人刑事

高橋・・・浅霧行きつけの喫茶店のマスター

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み