Disclose4

文字数 567文字

翌日。

管理官は予定通り本間への聴取のために、向かった。

結局、確保されたときのことも報告に上がっていて、江尻の方は面倒だと判断したのだろうと結城は思っている。

浅霧が取り調べをやりたいという希望を汲んでやったというスタンスでいるらしい。

島田はまだ、本間が入院継続していることもあり、向こうで待機させられていて、一時的な交代のスキを見て結城に愚痴っぽいメールを送ってきた。

取り調べ室の近くの別室には浅霧や班長を始め、数人が待機していて、病院から直接江尻が連れてこられるのを待っていた。

カメラが設置され、取り調べの様子をモニターしている。

取調室に通された江尻は前日と打って変わって見えた。

座り方から違って見える。

どこが違うのかと観察したら、顕著だったのは足元だった。

昨日は、おどおどとした感じが若干見て取れて、膝が揃っていたが、今日は立てば肩幅よりも広めにしている分、堂々としているように見える。

そしてメガネを掛けていて見た目も違う。
この前、病院からつけていたときに掛けていた黒縁ではなく、シルバーの縁のメガネだった。

よくドラマなどで、仕事のできる人間を表す人が掛けていそうなタイプだ。

小物が変わると、イメージも変わってくるが、そういうことだけではなく本当に性格も違って見える。

座らせると、うっすら笑みを浮かべているような表情を浮かべていた。
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登場人物紹介

江尻甫(えじりはじめ)・・・このストーリーの主人公。都内の会社でSEとして働いている。ある日、警察から事情聴取を受ける。

浅霧・・・警視庁の刑事。少し風変わりだが優秀。自分の気に入った事件にはものすごく集中して動く。

結城・・・警視庁の刑事。浅霧の同僚。

御幸・・・なんでも屋。浅霧の大学の同級生。違法行為も行う。

三井・・・所轄の新人刑事

高橋・・・浅霧行きつけの喫茶店のマスター

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