第88話 生きてる意味

文字数 439文字

 どうしても、考えてしまう。
 たぶん、考えても、仕方のないこと。
 でも、考えたいんだから、仕方ない。

 たぶん人間だけだと思う…
 というのは、人間のおごりか?
 鳥や、モグラのほうが、よほど「生きている」のかもしれない。

 でも、やっぱり考えてしまう。
 何か、意味があるんじゃないか。
 この世に生を受けた以上、何か、意味があるんじゃないか。

「今は、知れない。知れることしか、知れないよ。それが、現在の人間の智慧の限界なんだ。その意味を知れる時が来れば、自然と知れるよ」
 そんな声も聞こえる気がする。

 ありとある、いのち、そのいのちの、意味がわかる時。
 いつだろう、その時が来るのは。

 きっと、「わかる」ものではなく、何か、「一体になる」もののような気がする。
 ちりぢりになったとしても、それが全体として一体となるというふうに。
 とても自然に、そうなっている、「なっている」ということさえ「ない」ほどに、そうなっていくもののような気がする。

 生きてる意味、というより、いのちの意味、か。
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