第394話 憎しみ、呪詛の凄さ

文字数 333文字

 またセリーヌのことを書いてしまう。
 この人の作品、その最大の魅力。よくもここまで、罵る言葉が出てくるものだと感心させられる、そして不本意にも笑ってしまうところ… ほんとうに、たまらなく可笑しいのだ。いや、これはほんとに凄いよ、こんな笑える、笑わせられるということは。
 この世への呪詛、怒りが、その根柢にある、どうしても。セリーヌはどんな時代に生きても、これを繰り返していただろう。なぜならそれは人間に対する怒りであるからだ。
 椎名麟三の云う通り、セリーヌは人間を愛しすぎていた。そしてどんな時代も、人間は変わらない…
 しかしこれほど罵れるというのは、もう笑うしかない。その情熱よ。
 だがきっと、これを笑える人間は少ないのだ。
 しかし… 怒り、憎悪…、大切なものだ!
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